[1184]5.15事件と2.26事件

今年は5月に入って寒い日が続いたせいか、パンジーやビオラが長く咲いています。通常ならば、これらの花が終わって本格的な新緑の季節がやってくるのですが、これも異常気象でしょうか。

さて、日本史において新緑の季節に起こった事件といえば五・一五事件(ごてんいちごじけん=以降5.15事件)。同じ頃に起こった二・二六事件(にてんにろくじけん=以降2.26事件)との違いを即座に述べることのできる人は少ないのではないでしょうか。

というわけで、おさらいしましょう。

5.15事件は1932年(昭和7年)5月15日に起きた事件です。

当時の大日本帝国海軍の青年将校が首相官邸に乱入し、当時の護憲運動の旗頭ともいえる犬養毅首相を暗殺した事件です。

突入した青年将校たちに、犬養総理は「話せば分かる」と諭しましたが「問答無用」として殺害された事件として有名です。犬養首相は撃たれながらも駆け付けた女中に「今の若い者をもう一度呼んで来い、よく話して聞かせる」と強い口調で語ったと言います。

一方で2.26事件は、1936年(昭和11年)2月26日に陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが総勢1483名の兵を率いて起こしたクーデター事件。天皇をトップとした軍事政権の「昭和維新」を目指したとされます。

ポイント:

・5.15事件より2.26事件の方があとに起こっている(4年後)
・5.15事件は少ない首謀者によるテロ事件の意味合いが強い
・2.26事件は軍組織ぐるみのクーデター事件の意味合いが強い
・話せばわかる、問答無用のやり取りは犬養毅の5.15事件である
・5.15事件での首謀者の罪が軽かったので2.26事件を誘発したとの論もある
・5.15事件で死亡したのは犬養毅首相
・2.26事件で狙われた岡田啓介首相は押入れの中に隠れて一命を取り留めた
・代わりに岡田啓介首相に似ている要人が殺された
・不幸なこの人の名前は松尾伝蔵大佐

昭和7年、昭和11年はともに戦前であり、政治は軍部が握っている軍国主義の日本であった時代。国内は厳しい不況で、国民の生活は苦しく、世相的に閉塞感があり、なんとか打開しようとする空気が流れていたようです。そんななかで勃発したこれらの事件は、戦前の混迷のさなかにあった日本を象徴する事件ということができるでしょう。


【関連記事】
昭和一桁生まれの「ひとりごと」[107]五・一五事件 犬養首相暗殺
昭和一桁生まれの「ひとりごと」[119]二・二六事件(1)

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著者プロフィール

たまごや
1954年1月東京中野区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。現在茨城県にて有限会社たまごや主催。独自の視点によるコンテンツの発信と「感動の園芸・儲かる農業」をテーマとした肥料販売サイト「たまごや商店」を手がける。