カテゴリ"犯罪と法律の常識"のコラム

[1285]憲法とタバコ増税

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刑法とか民法といういわゆる法律は、国(国家権力)が国民を裁くために制定するものです。法律は大なり小なり国民の自由を奪います。しかし、法律があるから人の権利も守られます。つまり社会の秩序を守るために、バランスを考えながら国は法律を制定します。

たとえば、タバコの喫煙。日本では「未成年者喫煙禁止法」により20歳未満の喫煙を法律で禁じています。これはたとえば喫煙したい18歳の国民の自由を奪っているわけです。しかしそのおかげで健康への影響を受けやすい18歳未満の青少年の喫煙を防ぎ、国の宝である子供を健康被害から守っています。

憲法は同じ法律でもちょっと意味が違っています。たとえば上記の理論でいえば、国は喫煙そのものを禁じることもできますし、アメリカのかつての禁酒法のようにお酒もすべて禁じる事ができます。

ということは、法律は国家が自由に作る事ができるわけで、そのため国家の横暴によって国民の権利・自由を不当に奪われることだって十分にあり得ることとなります。

そこで登場するのが憲法です。

[1275]空中権と地下権

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マイホームを建てるために念願の土地を手に入れた。しかし上空には飛行機が通るし、地下にはどうも電車が走っているらしい。ここは俺の土地だ。無断で通るな!といえるのでしょうか?

基本的には、上空も地下も権利を主張できます。

まず、上空について。

上空(空中権)については、地上に建造可能な高さまでは実際に認められているようです。たとえば土地の空中に高圧線が通っている場合は、その土地は通常より安く買えます。それは高圧線を通す権利を電力会社が負担しているからで、その分を差し引いた部分が購入地価となります。

また空中権というものがあります。これは地上権と同じように登記できる権利で、たとえば大きな建物を建てたいが容積率が不足して困っている隣家に売ることができる権利として認められています。

[1245]「公序良俗に違反する」とは?

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何かのサービスを利用するときに、その利用規約に禁止事項として書かれているのが「公序良俗に違反する~」です。いったい公序良俗に違反するとはどういうことをいうのでしょうか?

公序...おおやけの秩序(一般的秩序)
良俗...善良な風俗(一般的道徳観念)

公序良俗とは、上記のように「公の大意」と理解することができます。しかし、公の大意は時代背景と共に変化します。このあたりがあいまいな部分となり把握しずらい部分となっています。

そして、公序良俗に違反する行為を無効とする法律が民法の90条です。

民法第90条(公序良俗)
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

法律行為とはたとえば契約がそうです。民法では、一般人による任意の自由契約を認めています。その契約に違反したときには損害賠償を請求できるようにするには、その契約は公序良俗に則っている必要があります。

もし、公序良俗に違反するような法律行為は、これを無効とする、のが民法の第90条です。

たとえば、人を殺すことを請け負う殺人契約。契約の目的が公の秩序や一般的道徳観念に違反するため、この契約は無効となります。

愛人契約。これも社会通念上認められるものではなく、たとえ書面によって契約を結んでも、契約は無効であり、一方的に契約違反をしたとしても損害賠償などの請求はできません。契約自体無効なのです。

契約結婚。両者の合意がないのに結婚をすること、つまり偽装結婚なども公序良俗違反になります。戦国時代の政略結婚などは今では公序良俗違反となることでしょう。

なお、利用規約などでアダルト商品(成人向け商品)と、この公序良俗に違反する商品と混同している場合が散見しますが、両者は全く別物です。

・アダルト関連商品
・公序良俗に違反するおそれのある商品

アダルト商品は対象が成人であれば、公序良俗に違反する商品ではありません。
これを公序良俗に違反するといえば、アダルト(成人向け)商品の製造販売にかかわる善良な業者への名誉毀損・侮辱となります。

例:アマゾン.co.jpの成人向け商品

#アマゾンは公序良俗に反する企業じゃないですよね?

公序良俗に違反するおそれのある商品とは、販売するにあたってきわめて違法性があるものをいいます。麻薬に近いもの、違法ポルノに該当するもの、犯罪を誘発するもの、他人に危害を与えることを目的としたもの(スタンガン)など。未成年・成人にかかわらず良識として販売は控えるべきものです。

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※細切れの休憩時間は公序良俗違反

[1242]取引証明用の秤(はかり)

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秤(はかり)にはいろいろなものがありますが、どの秤でもその計量した値、つまり重さを取引(有償・無償にかかわらず)に使う場合には「取引証明用の検定を受けて合格した秤」を使わなければいけないことになっています。

たとえば、対面式のお肉屋さんで豚こま200g買うときにグラム数が表示される秤は取引証明用の秤でなければなりません。これは計量法という法律で決まっているのです。秤がないからといって、その辺にある体重計で代用してはいけないのですね。

で、その取引証明用の秤ですが、機種によって使用できる地域が決められています。

地域区分例:

(1)北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県

(2)宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県(薩摩地方に限る)

(3)東京都(八丈・小笠原支庁に限る)、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

その秤を使用する場所が、たとえば茨城県の場合は(2)の表示のある機種を使います。北海道の場合は(1)の表示にある機種。高知県の場合は(3)の表示にある機種を使います。

(3)の表示のある機種を(1)の北海道で使うとどうなるのか?
  アンサー⇒正しく軽量されません。

これは、地域によって「重力加速度」が違うからです。

重力加速度って?

地球は自転していますので赤道方向に遠心力が働きます。赤道に近いほど遠心力は強いのでその分重力加速度が少なくなり、同じ質量のものは軽く表示されます。北海道で量るよりも高知県で量ったほうが軽く表示されるのです。だから正確さを要求される取引用の秤はその地域にあわせて正しく計量できるように調整されているのです。

ちなみに、ロケットの打ち上げ基地のある種子島。何の理由も無く「種子島」なのではなく、南のほうがロケットが軽くなって打ち上げ易くなるので「種子島」なのですね。日本だけでなく、世界各国打ち上げ基地は赤道に近いところで行われているようです。

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[1241]裁判員制度始まる

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2009年5月21日、いよいよ裁判員制度がスタートになりました。世論調査では70%以上の人が反対もしくは参加したくない、という結果なのに強引にスタートしたことになります。この背景には、閉ざされた司法の開放、裁判にかかわる人の非常識を是正する、また、一般人の司法の参加により、国民の司法に対する意識の改革、などがあります。そのため裁判員が参加する裁判は「重大な刑事事件」に限られています。

こんな重大なことが、どんどん決まっていってしまうことに懸念がありますが、これを提案したのは1999年小渕内閣に設置された司法制度改革審議会です。そしてその中で裁判員制度が審議されましたが、これを推進したのは小泉内閣。2001年のことです。

裁判員制度の本質は「国民の司法の参加」ですが、司法というのは法に則り罪を裁くことにあります。「法に忠実に則っているかどうか」を判断するのは大変な勉強が必要であり、その専門家を育成するために司法試験があります。司法試験に合格した人は職業人として法の番人(つまり司法)となります。

よく、検察の主張や判決に「被害者感情」を斟酌することがあります。本来裁判は「罪」を裁くことあって「人」を裁くことではありません。その「罪」がどうして発生したか仔細に検証するのが裁判です。そこに「感情」が割り込む余地はありません。

しかし、現状では判決に感情が入り込むのが実情です。こういう状況で、裁判員制度が導入されました。参加する裁判員は素人で一夜漬けの勉強しかしていません。法に則っているかどうかなど、わかるわけがないでしょう。しかし感情でものを言うことはできます。その言葉が判決に影響するかもしれません。

ところで、一番この制度で困っているのは、当事者の裁判官や弁護士ではないでしょうか。「法に則る」ことがどういうことなのかを素人の裁判員に教えつつ、裁判を行うのですから。こりゃ大変な労力です。

相撲部屋に弟子として入った息子が殺害された事件で、当事者の親方は懲役6年の実刑判決を受けました。息子の親御さんは「6年の実刑判決には納得している。ただ親としては、たとえ(刑が)何十年でも本心では納得できない。相手(山本被告)が認めない限り、なぜ事件が起こったかが明らかにならない」とコメントがありました。

事件の真相を解明する。そして、その原因を究明して、二度と事件が起こらないようにする。これこそ、裁判の役目ではないでしょうか?

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