[1229]六花は雪の結晶

六花。これは「ろっか」、あるいは「りっか」と読みます。北海道旅行するとお土産としてマルセイバターサンドが有名です。レーズン入りクリームをバター100%使用したビスケットでサンドしたベストセラー商品。しっとりして美味しいお菓子です。これを作っているのがお菓子メーカーの「六花亭」。

ちなみに、マルセイとは○の中に成の字が入っていますが、この成は十勝開拓の祖といわれる依田勉三が興した会社「晩成社」が北海道で始めてバターを作ったことに由来しています。

で、バターサンドではなく六花のハナシ。

六花とは、本物の花ではなく、雪の結晶を模した呼び名です。つまり雪のこと。雪の結晶は六角形をしていますが、この六角形を冬の花にたとえて呼んだものです。

ところで雪の結晶が六角形なのはどうしてか?
じつは本当のところはよくわかっていないのです。有力な仮説は以下のとおり。

空気中の水分は温度が高い状態では水蒸気として存在します。「水蒸気」は「水」ではありません。分子の大きさが違います。水蒸気のほうが分子が小さいです。

水蒸気が温度が下がってくると水分子ができてきて、これが霧となります。更に温度が下がってくると水分子が大きくなり、これが雨となります。この状態で、より温度が下がると、雨が雪に変わります。

雪の結晶は六角形をしていますが、水分子が集まって凍るときにはなるべく隙間を作らないように整然と並んで凍ります。そのため、一定の法則が働き、それがさまざまな形の結晶になるのです。

雪の結晶は水分子のH2Oの手のつながりに関係あるとされます。その手をつないで結晶が成長するのですが、ではなぜ二次元的に伸びるのか?三次元的(立体的)に成長してもおかしくないのですが、実際にはまだ謎の部分が多いとのこと。

わかっているのは、綺麗な結晶ができる為にはマイナス10度からマイナス15度位の間に限られているということくらい。この状態での中では、水蒸気はゆっくりと固化し、六個の腕を伸ばしながら美しい角形の結晶に成長するのです。

雪が降ったらその結晶を今一度確認してみましょう。といっても最近では黄砂の影響で黄色い雪が降ったりするようですが。

[1029]黄砂(こうさ)

冬晴れの青い空がきれいな昨今ですが、北の地平線近くでは空の色が黄土色(おうどいろ)になっていることがよくあります。これは黄砂(こうさ)の影響です。本来日本では、特に春先(3月から5月)によく観測されるとされましたが、最近ではそれ以外の季節でも観測されることが多くなりました。

黄砂はYellow sandまたはAsian dustともいわれ、砂嵐によって上空に巻き上げられた中国大陸の砂漠(黄土高原、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠)の砂が、偏西風に乗って日本上空に飛来し、地上に降り注ぐ現象のことをいいます。江戸時代の書物に「泥雨」「紅雪」「黄雪」などの黄砂に関する記述が見られることから、古くからある現象のようです。

気象庁では、黄砂が降り注ぐ現象が視程(視界)が10km以下になると「黄砂」であると発表されます。大量に降り注ぐ場合は、視界が悪くなったりクルマや洗濯物が汚れたりといった被害も発生します。

昔より黄砂現象はひどくなっているようで、その原因は中国における耕地拡大や産業優先の環境破壊によるものとの説も有り、今後さらにひどくなれば環境問題として捉えなければなりません。

黄砂は大気中に留まれば、太陽光線を阻害し農作物に影響を及ぼします。また地球を寒冷化する作用もあるでしょう。逆に、氷の部分に降り積もれば、反射していた赤外線を取り込み、地球温暖化にもつながります。

ちなみに黄砂の「黄」という字ですが「おう」とも読むため、意外と勘違いして呼んでいる人も多いと思いますが「おうさ」ではなく「こうさ」です。

そのほかにも間違いやすい語句を以下に記します。

黄土色(おうどいろ)
黄土(おうど)
黄色人種(おうしょくじんしゅ)
黄色(きいろ)
黄砂(こうさ)
黄河(こうが)
黄昏(たそがれ)

なお、黄土色(おうどいろ)はもともと黄土(鉄分を含んだ赤い土)より精製された顔料のことで、主に日本画に用いられてきました。日本古来の染にも使われる伝統色で、JIS規格にも決められている色です。パソコンで表示する場合はカラーコード「#B8883B」として表示します。

[1028]賞味期限と消費期限

消費期限切れを牛乳が使用されていたとする不二家問題。食の安全を問われ、かなり深刻な事態となっているようです。経営者の資質が問われる中、フランチャイズ加盟店などはどうやって信用を回復するのか、正念場でしょう。ただ、雪印のときと違うのは、不二家には不思議なブランド力があること。また熱烈なファンがいることも強みです。早期の復活を望みたいものです。

さて、食品に関する表示義務の法律にはJAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)と食品衛生法があり、品質表示が義務付けられています。その表示の内容には賞味期限と消費期限があります。同じように見えますが、定義は全く別のものとなっています。

「賞味期限」は、定められた方法(要冷蔵や冷暗所保管など)により保存した場合に、品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいいます。平成15年7月以前には「品質保持期限」といわれていたものが「賞味期限」に改正されました。

「賞味期限」は劣化の程度が比較的遅い食品に使われ、「賞味期限」が過ぎてもその品質の劣化が緩やかなものに使用されます。たとえばポテトチップスやカップめん、レトルト食品やバターなど。

一方、「消費期限」は、定められた方法(要冷蔵や冷暗所保管など)により保存した場合、腐敗、変敗、その他品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいいます。

この「消費期限」は劣化の早い食品(だいたい5日以内に悪くなるもの)である弁当、惣菜、生かき、生めん、調理パンなどに表示されます。コンビニ弁当などは「消費期限」で表示されていますので、機会があったら確認してみてください。

通常いずれの期限表示とも、「年月日」まで表示することになっていますが、「賞味期限」の場合は、製造日から賞味期限までの期間が3ヶ月を超えるものについては、「年月」のみで表示してもよいことになっています。

[1003]世界測地系

中高年の登山が人気です。しかし一方で、その中高年を含むパーティの遭難も多くなってきています。登山で遭難する場合、天候の急変が主な原因となりますが、中高年者はその急変に体力的に耐えられないことが直接的な原因となっているようです。熟達した登山家は、いかなる場合でも体力を温存する方法に長けています。これは修練と熟練でのみ得られる技であり、にわか登山家がまねできるものではありません。

私は若いときはスキーをやっていましたが、ホームゲレンデである八方尾根は最終リフト降場からさらにスキーを担いで登れば北アルプスの唐松岳にまで登頂可能なゲレンデです。天候がよければそれは絶景・快適ですが、ひとたび天候が変われば過酷な冬山登山に変貌します。軽い気持ちで臨めば遭難することもあります。

スキー中にゲレンデで知人が遭難した例もありました。猛吹雪で前後不覚となり、ゲレンデ内を徘徊し挙句の凍死。天候が晴れて、発見された場所はなんとリフト小屋の脇でした。山の天気をなめてはいけません。

さて、話を戻しましょう。中高年が気楽に登山にチャレンジできるようになって来た背景に、登山グッズの進歩があげられます。特に衛星を利用した携帯用GPS端末(携帯電話ではありません)は、自分の位置を確認できるため、登山家にとっては必須アイテムとなっています。

この位置情報を登録する時に使うのが緯度経度ですが、この基準には「日本測地系」と「世界測地系」があります。今までは日本測地系が多く使われてきましたが、測量法が改正され、経緯度の基準は世界標準「世界測地系」に変わりました。

この影響は大きく、GPSや地図の使用法を誤ると、道迷い遭難の原因となる危険性があります。日本測地系で表してきた地点と世界測地系では、東京付近の緯度で約プラス12秒、経度でマイナス12秒の差になり、これを距離に直すと450mに達します。狭い山道では450mの差は命取りとなります。

GPSでは測地系を初期設定する場合に、世界測地系か日本測地系を選ぶ必要があります「世界測地系」はWGS?84、「日本測地系」は「トウキョウ」と表示されています。

また国土地理院発行の地形図には、平成12年度版より右下隅に「茶色の経緯度数値は世界測地系による」と書かれて、地図枠には世界測地系日本測地系との2形式併記型で表示されています。携帯GPSを利用する場合、1分おきに緯度経度線を描くことがありますが、かなり注意しないと測地系を見誤る場合があります。

地図会社発行の登山地図でも、世界測地系に変更しているものと、日本測地系のまま表示されているものもあります。地形図が完全に世界測地系となるのは3年後といわれています。利用する地図に応じてGPSの測地系を変更および確認する習慣をつけておく必要がありそうです。

【関連記事】
[1146]メルカトール図法
[1149]地図の「上」はなぜ「北」か?

[979]ナンテン(南天)

のど飴の原料にもなるナンテンは「難を転ずる」という語呂合わせから、縁起の良い植物として古くから親しまれています。開花期はちょうど今頃の6月から7月の梅雨時。注意することは花を雨にあてないようにします。雨に当てますと花粉が雨で流れてしまい実付きが悪くなってしまいます。

冬の風物詩として雪で作る雪ウサギの目はナンテンの実、耳はナンテンの葉で作ります。また木の幹は水分を多く含むので燃えにくく、防火のためにも重宝したようです。いずれにしても魔除け、災難除けとして役に立っていたようです。

家の片隅に植えておけば、殺風景な冬の庭に赤い実をつけ、人々の目を楽しませてくれます。古くは1230年に名月記に記されているところからかなり古くから親しまれてきた植物です。しかし近年ではその種類が激減し明治時代には122種もあったナンテンは現在では40種ほどしか現存しません。まさに身近な絶滅種なのですね。

ナンテンは赤実ナンテンのほか白い実がなる白ナンテン、オレンジ色の実が美しいウルミナンテン、実がならず葉の色が五色に変わるオカメナンテンなど鑑賞に耐えるものが多いです。ナンテン実は鳥たちの冬の貴重な食料となってしまうため、11月霜の降りる前に葉と実を包むように新聞紙でくるみ、大晦日の夜に取り外しますと赤い実と緑の葉のコントラストがお正月に楽しめます。

ナンテンは日陰でも良く育ちますが、紅葉と赤い実を楽しむには、日当たりの良い場所に植えます。日に良く当てないと緑色は増しますが紅葉しません。ナンテンは和風の庭やお正月に用いられるため和もののイメージがありますが、鉢植えにすると洋風の家にも不思議にマッチするようです。冬の南天は夏の今が用意どきです。