[034]派遣社員-1-

2012年10月12日

 

リストラの波はとどまることを知らないようで、ますます労働者を巡る環境は厳しくなりそうです。労働者としては正しい知識を身につけ、リストラの対象にならないよう、またなってしまったときに如何に対処するかが大切です。
 
もともとリストラとは再構築するという意味ですから、労働者にとっても歓迎すべきことです。時代は急速に変わっていますから、旧態依然とした会社のシステムを改善していくことには労働者といえども異論を挟む筋合いではありません。労働者とて会社が繁栄するのはこの上ない喜びであるはずですから。問題は経費節減のため、何が何でも首を切りたがる会社の体質ということができましょう。
 
さて、利益対経費を明確にするため、人材の内訳を派遣社員に頼る企業が増えてきました。正社員と違って、人件費が明確でしかも専門知識がある派遣社員は、企業にとってこれからの戦力となることは間違いありません。ただここで経営者に誤解が生じやすいのは「派遣社員はいつでも解雇できる」と思っていることです。
 
基本的に「労働法の精神」は社員の区別をしていません。背広を着た正社員であろうと、パートのオバチャンであろうと大学生のアルバイト君であろうと分け隔てなく労働者として扱います。したがって派遣だからという理由で解雇できるわけがないのです。それどころか、優秀な派遣社員は正社員として雇用するようにさえ言っています。つまり派遣社員とは、リストラ(首切り)に便利な社員ではなく、これからの時代を乗り越えるための有用な人材確保システムとして利用すべきもの、と理解する必要があります。
 
◆派遣システム
 
派遣には【派遣元】と【派遣先】があり、【派遣社員】は【派遣元】と雇用契約を結びます。そして【派遣先】の事業主から業務上の指揮命令を受けます。つまり【派遣先】と【派遣労働者】は雇用関係にありません。雇用関係がなければ労働法は適用されないので、その派遣社員を保護するために別に【派遣法】という法律が制定されています。
 
この法律の背景は、派遣先会社が正当な理由なく派遣契約を解除することは、労働法の解雇と同じく厳しく制限する、というものです。ということは、やはり相当数の解約の実例があったのものと推測されます。よく、労働法や派遣法は経営者のことを良くわかっていないとか、労働者ばかり守ってとかいわれますが、これらの法律ができる背景には、事業主の知識の無さやモラルの無さが大きな原因として存在することを、事業主は理解する必要があります。
 
人を雇うということは、その人の一生を左右する重要なことなのです。経営者が自分一人で創業して自分で休み無く働いているうちはいい。しかし、ひとたび人を雇ったなら給料は払わなければならないし、休みは与えなければならない。事業主は雇用に関する法律を勉強すべきであり、それが企業の社会的責任といえるものではないでしょうか?