[062]退職

2012年10月14日

 

職業選択の自由は憲法で保証されているものです。したがって就職・退職は基本的にだれしも自由にできます。しかし、職につくということは通常は労働契約ですから、退職もこの労働契約に基づいて考えなければなりません。労働契約は、契約に関する法律として民法が適用されます。

 
労働契約の場合は、労働者側からの解約申し入れの後【2週間経過後】することによって契約は終了します。使用者の承諾は要りません。(民法627条1項)
 
就業規則には退職に関する記述がされていて、通常は1ヶ月前に申し出ることが決められていると思いますが、このような規定は無効であり、退職願いを出して2週間経過すればどんな場合でも自動的に退職となるのです。もちろん、使用者の合意があれば2週間を待たずに退職することができます。
 
退職の際には辞表を提出するのが普通ですが、退職の申し出は文書で行わなければならないということはなく口頭でも構いません。しかし、退職は重要な事項ですからできれば文書で行うべきでしょう。
 
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色々な事情がありやめたくないのにやめさせられる、というようなこともあります。辞めると辞めさせられるというのは法律上の扱いが全く違います。また使用者側としては辞めさせるのは対外的に風あたりも強いことから、本人に退職を勧告することもあります。このような状況では、意思に反した退職願を提出させられることもありますが、このような退職願は本人の意思に反するものですから、効力は無いのはいうまでもありません。