[147]雇用保険の知識(1)雇用保険とは?

(1)雇用保険とは?

雇用保険とは厚生労働省が保険者となって行なっている保険事業です。雇用保険の一番の目的は、労働者がなんらかの理由で失業に陥った時に、再就職までの生活を安定させ、就職活動を円滑に行えるよう支援することにあります。ここで重要なことは【再就職】が前提ということです。再就職の意志がない場合は保険給付を受けることはできません。

雇用保険は失業者への給付を行なっているため、失業保険ともいわれています。給付だけでなく失業の予防や雇用状態の是正など労働環境の福祉にかかわる役目を担っているのが雇用保険事業です。雇用保険と労災保険をあわせて労働保険といいます。

【雇用保険は強制保険です】

雇用保険は、個人経営で従業員4人以下の農林水産業を除き、すべての事業所で加入しなければならない【強制保険】です。適用事業で働く労働者はほとんどが被保険者となり、保険料を払わなければなりません。

保険料は会社と労働者が双方で負担します。保険料率は賃金の1000分の15.5でそのうち労働者の負担分が1000分の6。残りが会社負担分となります。

【被保険者の種類】

◆一般被保険者

週30時時間以上働く普通のサラリーマンなど
(うち週20時間以上30時間未満の場合で一年以上継続して労働が見込まれる場合、短時間労働被保険者という)

◆高年齢継続被保険者

65歳未満時に雇用され、現在65歳以上になっている人。

◆短期雇用特例被保険者

季節的に雇用されている短期の出稼ぎ労働者など

◆日雇労働被保険者

日々雇用される人、または30日以内の期間を定めて雇用される人のうち適用区域に居住または雇用される人

保険料は天引きになっているのが普通ですから、給与明細に雇用保険料として天引きされていれば被保険者になっています。天引きされていない場合は被保険者となっていない可能性が高いです。

上記適格事項にあてはまるのに、被保険者になっていない場合は、会社の労務担当者に事情を聞いたほうがよろしいかと思います。強制保険なのに被保険者になっていないことはありえないはずなのですが結構あるのです。世の中不思議です。

(詳しいお問合せは最寄りのハローワークまで)

【訂正】

雇用保険料率が平成14年10月1日より変更になっています。手元の資料が古くてそれ以前の料率を書いてしまいました。

10月1日以前の料率は一般業の場合1000分の15.5でしたが、10月1日以降は労働者と事業者にそれぞれ1000分の1づつ負担増となっています。

雇用保険料率表(2002年10月1日改正)
[業種]         保険料率  事業主負担分 労働者負担分
[一般業]        17.5/1000  10.5/1000  7/1000
[農林水産・清酒製造業] 19.5/1000  11.5/1000  8/1000
[建設]         20.5/1000  12.5/1000  8/1000
(注)各保険料率は、賃金総額に対する率です