[170]高年齢者雇用安定法

平成10年に制定された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下高年齢者雇用安定法)」によって、現在では60歳を下回る定年は違法行為となります。また高年齢者雇用安定法は事業主に、定年を延長したり定年者を再雇用したりして、積極的な高齢者雇用を求めています。

現在では努力義務ですが、現代人は60歳ではまだまだ就業意欲があり、年金の財源不足も手伝って、いずれは65歳定年が当たり前、もしくは60歳で全員再雇用が義務となるに違いありません。好むと好まざるとに関わらず、企業は高齢者雇用に取り組んでいかなくてはならないのです。

方法は色々あります。

◇定年を65歳にする方法

現在60歳の定年を65歳までにする方法です。しかし60歳の社員ともなれば、相当な給与を得ているでしょう。この方法はその給与を引き続き支払うことになり、権力のある会社に居座り続ける老獪社員になりかねません、給与財源を圧迫し、かつ若手社員の育成に問題を残す方法です。

◇60歳定年で一旦退職、65歳まで再雇用する方法

60歳で一旦退職扱いとし、その後継続して再雇用する方法です。退職金も払い、役職を外し後進の育成を重点に行なってもらう方法です。パートタイマー並みの時給、定時上がり、で働いてもらうことで「今までと違う仕事」という本人の意識の改革があり、好結果を生むことが多いです。

一般的には、労働者の高齢化による業務効率の低下や、年功序列による高賃金の負担から逃れるため、後者の方法が一般的になると思われます。