[174]半日年休

2012年11月1日

基本的に、半日単位の年休を認めるか否かは会社の判断になります。法的には半日年休を認める義務はありません。労働基準法にも半日年休の規定はありません。

 

本来、年次有給休暇というものは「休養」のために付与されるものであるとの考え方により、その単位は「午前零時から午後12時まで24時間」の暦日単位で与えることが基本とされます。したがって半日または時間単位で分割して与えることはできないとされていました。

 

しかし年休はなかなか取りづらく消化されないという社会情勢を見て、積極的に取得させる策の一つとして、1995年に労働省から「半日単位の年休付与について、労働者がその取得を希望し、使用者もこれに同意した場合には、適切に運用される限り問題がない」との通達が出されたのです。その通達を受けて、労働者の請求に応じ、半日単位での取得も認められることになったわけです。

 

ただし、法的には半日単位の年休は会社に義務づけてはいませんので、会社によっては、1日単位でしか認めないとするケースも多くあるようです。あくまでも労働者と使用者の話し合いで決めてくれというのが趣旨です。

 

半日単位の年休取得が認められる会社では、就業規則に半日付与制度の有無、半日の単位の範囲などについて規定が盛り込まれているはずなので、自分の職場の就業規則を確認してみて下さい。規定があれば、半日年休がとれます。規定がなければ残念ですがあきらめるほかありません。

 

なお、半日年休は労働者の希望で半日となるものであり、就業規則に半日年休の規定があるからといって、労働者が一日年休を求めているにもかかわらず、半日年休しか付与しない、というのは認められません。