[187]会社の辞め時

会社を辞めようと思っていても実際いつがいいのかというのは結構重要な問題です。

【夏冬のボーナス時期】

ボーナスというのは労働基準法ではもはや特別な報酬ではなく労働者の賃金として扱われています。したがって、ボーナス支給前に辞めてしまっても、支給日にもらえると思っている人が多いです。

しかし、賃金とはいえボーナスは就業規則にその支払について記述されていることが多く、その内容に「ボーナスは支給日に在籍していること」とある場合は、辞めてしまった場合ボーナスはもらえないことになります。ボーナスは賃金だと言い張っても無駄です。就業規則は強いのです。ボーナスは貰ってから辞めるというのがよろしいかと思います。

【退職金が増額になる場合】

最近では景気がやや回復しているようで一部では売り手市場とまで言われているようですが、それも本当に能力が有る人の場合。会社では相変わらずリストラとして早期退職者を募集することがあります。定年まで働くよりも、今辞めた方がトータルで多くもらえる、ということも珍しくありません。それに将来において退職金自体存在するかどうか疑問です。目の前の餌にわざと飛びついても良い時期かもしれません。

【有給休暇を取得して辞める】

会社によっては有給休暇を一斉付与している場合があります。これは入社時期に関わらず、その日を経過すれば一年分の有給休暇が付与される仕組みです。例えば毎年5月1日に一斉付与される会社があったとしましょう。10年以上勤務している場合、20日の有給休暇がここで付与されます。

そして5月1日を経過した時点で、4週間後の日付で退職届を出します。本当は2週間前の退職届で退職自体は有効ですが、ここは20日の休暇を消化するためにあえて4週間後となります。しかしこの4週間は一日も出勤する必要はありません。週7日のうち2日が休日。残り5日を有給休暇に当てて4週間丸まる休みとなります。日当が2万円とすれば20日分、出勤せずに40万円の収入になります。ボーナス無し、退職金無しの契約社員の場合はちょっとした退職金代わりとなることでしょう。

なお、このような消化方法をしたとしても、使用者はこれを拒絶することはできません。使用者にできることは時季を変更することのみ。やめる人に対して時季を変更することは事実上不可能なのです。