[261]読者Q&A『休日と休暇、その定義』

2012年10月28日

■読者からの質問
 
総務の仕事をしています。当社は販売会社で休暇・休日の出勤があり、社員との解釈の行き違いが多く発生しています。ついては、下記はどこからの引用なのか、お教えください。当方も調べましたが、これほど明確に説明している法令等の箇所が見つかりませんでした。よろしくお願いします。
 
『休暇とは?』
労働義務のある日を休むことを「休暇」といいます。したがって年次有給休暇は本来仕事をする日に取るべきものです。
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
『休日と休暇、その定義』
 
「休日は労働の義務がない日、休暇は労働義務がある日を免除する日」。労働法関係の教科書・解説書にも当たり前のように書かれている事項ですが、厳密に休日と休暇との違いを定義されているのか、というと結構難しい問題だと思います。法律で明確に定義しているのか、というと、この違いの定義はおそらくないだろうと思われます。
労働基準法では、まず週に一回の休日を与えることを義務付けています。これは労働義務のない日ですから、これをもって「休日」という語句を労働基準法は使用しています。
 
(休日)第三十五条
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/rouki4.htm#35
 
その上で、その休日以外に、本来ならば労働義務のある日に対して年次有給休暇を与えることを義務付けています。このときに「休暇」という語句を使っています。
 
(年次有給休暇)第三十九条
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/rouki4.htm#39
 
つまり、労働基準法を解釈する上で『休日は労働の義務がない日』、『休暇は労働義務がある日を免除する日』となるわけです。
ちなみに、労働基準法はこのように休日と休暇を分けていますが、世間ではこれほど厳密に分けることはなく、一般に「休日」で通っています。英語にしても休暇と休日を分けることはなく「Holiday」一本です。
 
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