[275]読者Q&A『社会保険料を労使折半にしてくれない』

2014年7月20日

読者からの質問

従業員5人の建設会社で事務をしています。
今まで従業員すべてが、国民年金保険は建設国保の人と国民健康保険のどちらかに加入、雇用保険未加入。だったのですが、今回の法改正により「厚生年金・社会保険・雇用保険」に加入することになりました。。が。。どれも100%自己負担で、労使折半は出来ないと言われました。

明細的に問題の無いように50%を保険料として天引きして、本来会社負担であるはずの残り50%を基本給から、もしくはタイムカード未記入というかたちで処理をするらしいです。これは、当社の顧問税理士からのアドバイスらしいのです。

上記のような状態は、違法であることを代表者には、伝えたのですが失職などのことを考えると強くは言えず・・・泣き寝入りで会社の指示に従うしか無いのでしょうか?

たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

『社会保険料を労使折半にしてくれない』

お勤めの会社は建設業ということで、おっしゃるとおり社会保険の整備が求められている業界です。
お話によると使用者、顧問税理士とも極めて違法である可能性が高いです。
特に賃金に関わることは刑事事件と同じ重要性を持ちます。
刑事事件は警察ですが、労働事件は労働基準監督署が所轄します。
違法の場合は刑事罰が下るのは同じです。
それくらい重大。

しかし、このことを監督署に訴えるということは、あなたの失職も覚悟する必要があるでしょう。
係争状態になるわけですから。
それはそれで大変なことです。

で、アドバイスですが、
今回の経緯を具体的に記録することです。
賃金明細や労働時間など細かく記録します。
業務命令があればそれもメモしておきます。
これを半年-1年くらい続ければ信憑性のある物的証拠となります。

その上で、監督署に相談しましょう。
動かない証拠があれば監督署も調査します。
その調査は匿名でもしてくれますので、相談=即失職とはならないと思います。
担当官に会社を辞めたくないと強く言っておきましょう。

しかし、これがもし事件として取り上げられれば、あなたの会社自体も倒産・廃業ということになるかもしれません。
そのときの身の振り方も考えておく必要があります。