[37]昆虫たちの世界(ダニ・しらみ)

第37回

■昆虫たちの世界(ダニ・しらみ)

《ダニ》

「食いついたら離れないようなダニみたいな奴」とか云いますよね。しかし小さな白い「家ダニ」のことではないようです。しかし此の「家ダニ」は白くて見えづらいし、昼間は畳の目に入ったりして見つけるのが難しいし、数が沢山居て捕まえるのは容易ではありません。

夜寝静まった頃、這いだして来ます。ゾロゾロと敷布の上に沢山出てきます。歩くのは小さいせいもあって早くはありませんが、こいつは下腹の柔らかい部分に食いついて血を吸うんです。凄くかゆいですから、ボリボリと掻くことになって仕舞います。毎日沢山咬まれている子の下腹は、一面に赤いボツボツが出来て痣のようになります。

「ダニのような奴」と表現した「ダニ」は此の「家ダニ」ではないようです。松林のような木が沢山生えてる所にいる「ダニ」のことです。知らぬ間にシャツの下の柔らかい・・脇の下の様な所になんか変な物がくっついている・・と思って捕ってみると、小豆色した丁度小豆くらいのものがくっついて居るんです。

気持ちが悪いから取って捨ててしまいますが、暫く経ってもチクチクするんです。自分では見えませんから、家に帰って母に見て貰いますと、「何でもないよ・・一寸待って」と云って虫眼鏡を持ってきて覗き込んでいます。すると「何か付いてるよ」と云ってピンセットを持ってきました。暫くして「なんだろう?」とピンセットの先につまみ出したものを見ています。小さな虫の頭みたいな口にカギが付いていて、其のカギが食い付いていたんです。尻だけむしり取っても口が取れないのです。これを取らないと又一匹になってしまうんです。「ダニの様な奴」とは此のダニの表現ではないでしょうか?

《虱(しらみ)》

「シラミ」は米粒ほどの成虫は大きさですが、白い体にポツンと黒い点がある動作の遅い愛嬌者です。だけどこいつは伝染病を媒介します。昔は男の下着は「猿股」か「一丁ふんどし」です。うっかりしているとこれにいつの間にか「シラミ」が涌いているのです。こいつは何処から着いて来るのでしょうかね。

ノソノソ着いている奴はすぐ捕まえて潰してしまいますが、一旦着いてしまうと、面倒なのはその「卵」です。白い透き通ったようなものでが、これが布に着いていると取れないのです。洗濯してもダメ。乾燥させても生きています。生命力には感心します。結局捨てるより仕方がありません。

ずーっと後の話になりますが、終戦後に此の「虱」が媒介して「発疹チフス」が大流行したことがありました。生活が不潔だったのでしょう。ある時満員電車に乗ったとき、何気なく前の人を見たら、背中に「虱」が這っていましたし、その前に居た女の人の髪の毛が「毛虱」だらけだったことがありました。満員電車で身動きが出来ない状態でしたから、逃げることも出来ません。大抵駅を降りると、市の職員が人の頭から衣服の中までDDTを吹き付けていました。
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リサのしらみ騒動
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