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[95]流しの行商(2)かるめ焼き屋

第95回

■流しの行商(2)かるめ焼き屋

《かるめ焼き屋》

休みの日の昼下がりに真っ白な髭を生やしたお爺さんが、大八車に「かるめ焼き」の道具を積んでやって来るんです。荷台の両側に幅30cmくらいの長い板を張り、真ん中の列には4個くらいの七輪がおいてあり、両側の板の上には片側三、四枚の濡れ雑巾がおいてあります。

此の屋台は子供達に自分で「かるめ焼き」を作らせるものだったのです。銅板で出来た鍋に木の取手のついたものの大きさがあって、1銭から10銭までの子供達の要求によって大きさが違うのです。普通は3銭くらいですが、これは結構大きな物が出来ます。

その鍋の大きさはお金次第で、中に入れる「ザラメ」の量も違います。これは自分で作らなければ成りませんが、一寸した技術が必要ですから、初めての子はうまく出来ません。

馴れてくると子供達は競争で膨らまします。

先ず、お金を払ってその大きさの銅鍋に、おじさんにザラメと適量の水を入れて貰います。そしてそれを七輪にかざして熱します。暫くすると泡が立ってきます。此の泡の大きさとか粘り具合を見極めるのがコツなんです。早すぎても遅すぎてもダメです。

泡が大きくなって、割れるような状態を見たら、かき回し棒の先に「重曹」を付け、素早く鍋を濡れ雑巾の上に置いて重曹の付いた棒でかき回すのです。すると鍋一杯に大きく「かるめ焼き」が盛り上がって来るのです。そして固まったら再び鍋を七輪に乗せ、暖まって「かるめ焼き」が動き出したら、板の上に伏せて叩くと出来上がりです。

ザラメを熱する状態、降ろすタイミング、重曹の付け具合、かき混ぜる早さ・・・なかなか難しいです。失敗すると膨らみません。子供達は熱中します。此の髭のお爺ちゃんが来るのは楽しみだったですね。

《豆売り》

これは何と云ったら良いか分かりませんので、一応「豆売り」としました。これはハチマキ法被姿で地下足袋を履いた姿で、天秤棒の前後に引き出しの沢山付いたタンスをぶら下げているんです。それぞれの引き出しに各種の豆類が入っていました。いろいろな物がありました。「煮豆」や「うぐいす豆」とか「ウズラ豆」「エンドウ豆」などあらゆる豆の量り売りです。

佃煮はなかったようです。一寸お昼のおかずとか、お弁当のおかずには良かったとおもいますよ。

《金魚屋》

春夏の昼下がり、「金魚エー金魚」と云う勇ましい声を上げながら、天秤棒の前後に小さな金魚鉢を積んで、売り歩いていました。中に比較的大きな鉢があって、小さな金魚が沢山入っていました。あまり良い金魚はなかったようです。小さな金魚鉢に入れて観賞用ですかね。ですけど縁日と違って金魚釣りはさせませんでしたよ。

金魚の昼寝

♪  あかい べべ きた
かわいい きんぎょ
おめめを さませば
ごちそう するぞ    ♪


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