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[161]子供相撲

第161回

■子供相撲

相撲にはプロの大相撲もあれば、子供相撲も盛んでした。大相撲は見る相撲でしたが、子供相撲は自分で取る相撲ですから、これには夢中になりました。

この当時の小石川の住宅地には、あちこちに空き地が沢山ありました。ですから夏休み頃になると、其の空き地に町内会で土俵を作って、子供相撲が毎晩行われるのです。大体子供相撲は中学一年生くらいの年までで、それ以上は大人の相撲になりました。ですから子供相撲には中学生以下であれば年齢制限はなかったのです。

相撲を取るには大抵「六尺」(晒しのふんどし)ですが、私は母にねだって、帯芯で「褌」(まわし)を作って貰いました。子供にしては本格的でしたよ。物資のないころで母が自分の帯をほどいて、芯に使っていた物で作ってくれたのですから、相撲には負けるわけにはいきません。

私は「電信柱」(背の高い奴)じゃありませんでしたが、足腰が強かった上に、近くにあった「理化学研究所」の相撲部に暇があれば通って「受け身」の練習はしていました。相撲は取らしてくれませんでしたけど「四股」とか「鉄砲」とか倒れた時に骨折しないように「受け身」の練習です。これから何年も相撲はしてきましたが、一度も骨折はしたことがありませんでした。

町内の子供相撲は大抵夜で、裸電球が何個か付いていましたが暗かったです。6時くらいから始まりますが、一年生から三年生くらいのチビッ子力士から始まります。勝てばお菓子を貰えます。だんだん大きくなって、五年生、六年生、中学一年生、二年生と進んで行きますが、この辺になると区別はありません。

覚えていることは、一年生、二年生くらいのチビッ子が束になって掛かってくる、5人抜き、10人抜きの相撲です。何人掛かってきても、こちらは負けませんが、怪我をさせないように取ることが難しいのです。土俵は盛り土をした高い本格的のものですから、投げ飛ばすと土俵の下に転がってしまい、「受け身」が出来ていませんと、直ぐに骨折してしまいます。

毎晩此の子供相撲は楽しくて、いつも必ず出ていました。一回も負けたことがありませんでした。あるとき学校は違いますが同じ六年生の「多田君」と云う、私の仲良しの友達と取っていたのですが、彼もなかなか強かったのですが、私の投げに土俵下に落ちたときに怪我をしてしまいました。町内の役員が彼を立たせて、両腕を上に上げようとしましたが、腕が上がらないのです。直ぐに接骨院に連れて行きましたが、「鎖骨」が折れていました。しばらくは腕を釣っていましたが、友達としては仲違いはしませんでした。

此の子供相撲は、「大月」「中村」「多田」と私の四人の天下でした。皆同じくらいの年でしたが、学校はそれぞれ違っていました。薄暗い裸電球のついた土俵でしたが、ふと見ると父親がそっとのぞきに来ていたこともあったようです。

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