[116]火事を消し止めたクロのお話

第116回

■主人のために命を落とした名犬たち?火事を消し止めたクロのお話?

今度は犬種は良く分かりませんがラブラドールレトリバーくらいの大きさの色の真っ黒な犬で「クロ」と云う名の犬のお話です。

大変に家族に可愛がられていた犬で、家族同然に一緒に生活していました。ある日の日曜日に家族全員が外に出かける事になり「クロ」はお留守番となりました。「クロ」は座敷の中でポツンと取り残された格好です。

家の中では自由でしたが戸締まりはキチンとされていましたから外に出ることは出来ません。真冬の寒い時期でしたから石油ストーブは点いたままになっていました。これも「クロ」に対する家族の思いやりだったのでしょう。ですがこれが災害の種になってしまったのです。

此のストーブの油が少しづつ漏れていて、床にしみ出していたのです。勿論「クロ」は異変に気づきましたが、戸には鍵が掛かっていますからどうにもなりません。するとストーブの火が
引火してしまいました。

動物は火を嫌いますから「クロ」もそうだったと思いますが、外に出ることは出来ません。すると「クロ」は火の中に飛び込んで、躰を倒してゴロゴロと火を消し始めたのです。火は無惨にも「クロ」の躰を焼いて行きます。でも「クロ」は一生懸命に火をもみ消そうとしました。そして暫くの後「クロ」は火を消し止めたのです。ですが「クロ」の躰は無惨に焼け焦げ、見る影もなく横たわって居ました。

此の火事は小火程度の火事でしたので、近所の人も気づかなかったようです。数時間後家族が帰ってきて此の様子を見てビックリしました。「クロ」は全身大火傷で息も絶え絶えでしたが、家族の顔を見て安心したのかそのまま息を引き取りました。

世の中には沢山の生き物がいますが、人と犬との関係は気持ちが通じると云うか、家族同然に飼育すると人の心が読めると云う性格があるようですね。他の動物では考えられませんね。

その愛犬は何も喋りませんが、じっと飼い主の顔だの動作だの言葉を理解しようとしている姿は実に微笑ましいですね。犬は人がいなければ生活をし生きては行かれません。ですから純粋な姿で人に接触して、自分の主人を護ろうとするのです。でも世の中には犬を虐待したり、捨てたりする輩もいるんです。そう云う人達は何を考えているのでしょうかね。

犬は人間と違って心が純粋です。いじめたり、騙したりは絶対にしません。