[14]バッタ採り

第14回

■バッタ採り

遊びと云っても、友達と遊ぶのは「かくれんぼ」「鬼ごっこ」「縄飛び」「ボール投げ」「石蹴り」「蝉とり」「トンボとり」くらいでしたが、父親に連れて行って貰うのは電車に乗って「バッタとり」なんかに行った時はかなり印象が強いものでした。

何処であったかはっきりと覚えていませんが、見渡す限りの草原でした。多分多摩川周辺だと思いますが、家一軒見えません・・・その草原の中に目立つのは大きな看板が立っていたことです。一つは今では見られませんが、黒ちゃんがストローでカルピスを飲んでいる大きな看板です。 もう一つは女性が何か飲料を飲んでいる図で傍らに大きな字で「どりこの」と書いてあったことを覚えています。此の二つの看板は何処に行っても必ず眼にする看板でした。

ここに行ったのは夏休みの頃と思いますが、服装は白い帽子に半袖の白いシャツ、黒い半ズボンに白い靴下に運動靴。至極当たり前の格好で、手には2メートルくらいの竹竿についた捕虫網と小さな虫籠。

燦々と輝く太陽のもと、此の廣い原っぱを駆け出すと、ものすごい数のバッタが、チチチチチッと鳴きながら飛び立ちます。それを追いかけて網で捕まえるのです。3匹も捕まえて籠に入れれば一杯になってしまうんです。

此のバッタは体長12?3cmもある「殿様バッタ」なんです。頭と首に黒い模様の入った緑色したバッタです。正式には何て云うのか分かりませんが、子供の世界では殿様バッタと云っていました。

見渡す限りの草原で木がなかったので蝉とか他の虫は見つからなかったです。一日飛び跳ねて帰りましたが、考えてみると人には誰にも会わなかったような気がします。その頃の東京は山手線の外は人口が極端に少なかったせいかも知れません。所謂郊外と云っていましたから。

子供の遊ぶ遊園地があったかどうか覚えがありません。強いて云えば浅草の花屋敷か、浅草松屋の遊技場くらいですかね?そのほかでは練馬の豊島園・・があったかな?と云う程度でした。
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