[162]相撲で歯を折る

第162回

■相撲で歯を折る

子供相撲の時ではありませんが、放課後の学校の校庭で同級生と相撲を取ったときです。コンクリートの運動場の片隅で何人かと相撲を取っていたのですが、この時「山田君」と取った時です。初めてだったのですが、あまり大きくない相手だったのですが、こいつは凄く強かったです。なかなか勝負は付かなかったのですが、相手の「上手投げ」を食らって同時に倒れました。

その時、倒れ方が悪かったのですね、受け身をやっていましたから、倒れる時も手を突きません。手を突くと腕が折れてしまうからです。・・なんと顔を正面からコンクリートにぶつけてしまったのです。・・そうして「前歯」を二本折ってしまいました。もの凄く痛く、口を押さえて便所に駆け込んで、口を押さえました。唇は切れて血で真っ赤です。誰もいませんでした。自分一人で暫く佇んでいました。

一時間くらい経ったでしょう、校庭にはもう誰もいませんでした。仕方なく家に帰りましたが、母は私の顔を見て「どうしたの、其の顔は」と聞いて来ましたが「転んだんだ」と云ったら「そうかい」で終わりです。

次の日には唇の腫れは引きましたので、知らん顔して学校に行きましたが、友達も先生も何も云いませんでした。二三日経って母が「みっともないから、歯医者に行っておいで」と云いましたので、丁度家の斜向かいに「桑原歯科医院」と云うのがあって、そこに行ったら「どうして前歯なんか折ったの」と聞かれたけど、何も答えませんでした。

そして「差し歯」を作るからと云って、歯形をとって「一週間経ったら又お出で」とその日は帰りました。そして一週間後に差し歯が出来て、前のように変わらない歯になったのです。少し筋が入りましたけどね。当時はプラスチックなんかない時代ですから多分象牙だったと思いますよ。費用は幾ら掛かったか知りません。母が払ったのですから・・。

 1  |  2  |  3  |  4  |  5  |  6  |  7  | All pages