tax[132]白色申告制度

2013年5月28日

前回は青色申告制度について述べましたが、その他に白色申告制度「白色申告者の記帳・記録保存制度」があります。

日本では所得税は納税者全員が税法に従って所得と税額を自分で正しく計算し納税するという申告納税制度を採っています。したがって不動産所得、事業所得又は山林所得のある人は、青色もしくは白色どちらかの方法で申告しなければなりません。

青色申告については、一定の要件を備えた帳簿を備え付け、記録し、書類を保存するよう定められています。この要件にあてはまらない場合は白色申告になります。

しかし、白色申告だから帳簿を一切付けなくていいというわけではありません。青色申告者でない人にも記帳制度や記録保存制度が設けられています。

(1)記帳することが必要である人

不動産所得、事業所得又は山林所得のある人で、次の二つのどちらかに当てはまる場合です。

A.その年の前年12月31日において、確定申告等により確定している前々年分の不動産所得、事業所得及び山林所得の金額の合計額が300万円を超える場合

B.その年の3月31日において確定申告等により確定している前年分の不動産所得、事業所得及び山林所得の金額の合計額が300万円を超える場合

(2)記帳する事項

売上げなどの総収入金額と仕入れなどの必要経費に関する事項を記帳します。取引の年月日、売上先その他の相手方、金額、日々の売上げの合計金額などを記します。記帳は、所得金額が正確に計算できるように、整然とかつ明瞭にする必要があります。

(3)記録保存制度

A.帳簿などの保存が必要である人

不動産所得、事業所得又は山林所得のある人で、その年の前年12月31日において、前々年分の所得税又はその年の3月31日において、前年分の所得税について次の三つのいずれかに当たる人です。

・確定申告書を提出している人
・税務署長から所得金額などについて決定を受けている人
・総収入金額報告書を提出している人

この総収入金額報告書とは、確定申告書を提出しなくてもよい人で、不動産所得、事業所得及び山林所得の総収入金額の合計額が3千万円を超える場合に提出するものです。

B.帳簿などの保存期間及び保存場所

帳簿や書類を5年間(記帳制度適用者が記帳制度に基づいて作成した帳簿については7年間)、納税者の住所地や事業所などの所在地に整理して保存する必要があります。

もともと白色申告は帳簿などが不充分な場合に税務署自らが納税者の所得を推計して課税するというものです。つまり最低必要書類がなければ税務調査で高額な課税をされても文句をいうことができません。それでもいいという場合のみ白色申告を選ぶのですが、いろいろな特典のある青色申告が良いのは言うまでもありません。

なお、青色申告の決まりを守らない場合は、青色申告を取り消され白色申告をすることになります。

2002.10.16