tax[035]相続税の納付

2013年5月30日

【原則は金銭で一括納付】

相続税の納付期限は申告期限と同じく相続続が発生してから10ヶ月です。実際には申告と同時に納付しなければならないと思ったほうがいいでしょう。また納税は現金納付が原則ですから、やりくりしてなんとか現金を準備します。これは結構忙しい仕事です。故人が遺産を現金で残してくれるとは限りませんから。

【延納】

原則は現金による一括納付ですが、故人が生命保険などに加入していていたような場合は困りませんが、遺産が不動産である場合、現金を用意するのは大変なことです。不動産がすぐに現金化されればいいですが、このご時世ではなかなか難しい。

そこで、不動産で相続した場合は例外として最長20年の年賦払いという方法が用意されています。延納分については利子税がつきますが、現金を用意できない場合は重宝します。

延納期間と利子税率は、遺産のなかで不動産の占める割合に応じて変わります。不動産の占める割合が多いほど、期間は長くなりそれに応じて利率も優遇されています。ただし、延納は現金による一時納付が困難な場合のみ適用になりますから、注意が必要です。

物納】

上記のような方法は便利な方法ですが、相続人にとっては余計な利子税を払わなければならず、また長期間の賦払いに耐えなくてはなりません。そんなときに、遺産のなかに国債などの公的有価証券や利用価値の高い不動産など適当な財産があるときは、物納としてそれを納めることができます。ただし、これも現金で納めることが不可能な場合のみ適用されます。

相続税の納付は大変な仕事です。できれば相続する人のことを配慮して、相続税が払えるくらいの生命保険に入っておくとか、全部不動産にしないで現金化しておくとか、不動産の場合はすぐ売れるような好立地のものを所有しておくなどの配慮がありがたいですね。

2000.7.20