tax[068]遺留分

2013年5月30日

遺留分とは、被相続人が遺言によっても処分できない相続人の持分のことです。

日本の民法では、原則として15才以上の者なら誰でも遺言をすることができ、その内容も遺言者の自由意思に委されています。遺言によって財産を譲ることを遺贈といいますが、遺贈は第3者に対しても行うことができます。

例えば「全くの他人に財産を全部譲る」というような遺言も可能です。しかしこれでは残された相続人はたまったものではありません。

そこで法律は家族というものの位置づけを重視し、法律で規定されている相続人の期待権に応えるため「遺留分制度」というものを制定しています。(民法1028条)

遺留分とは、被相続人がどんな遺言を残しても、配偶者や子供がある場合には、少なくとも全体財産の2分の1は配偶者、子供がその権利を主張することができるといった制度です。

遺留分を有する相続人は「配偶者」「子及びその代襲者」「直系尊属」です。

◆子、及び配偶者が相続人の場合

相続財産の2分の1が遺留分となり、それを法定相続分で分けます。

配偶者と子2人の時は、配偶者は2分の1×2分の1で4分の1子はそれぞれ2分の1×2分の1×2分の1で8分の1となります。

◆直系尊属のみの場合

相続財産の3分の1が遺留分となります。

このような遺留分を無視して贈与や遺贈がなされた場合には、この遺留分を有する者、またこの遺留分権利者の承継人は、既に給付されている財産の返還を請求したり未給付の財産に対する請求を拒否することができます

なお、この遺留分は相続分と違って相続開始前でも家庭裁判所の許可を得て放棄することができます。

2001.03.14