tax[120]使用人兼務役員

2013年6月3日

役員の報酬について6回ほど述べてきましたが、役員報酬にしろ役員所与にしろ役員とは経営に携わる役職であるから、これらは損金というより利益処分に近い性質のものです。したがって税務上は損金か利益処分かを厳密にせざるを得ない部分があります。

理論上は役員とて通常の業務に対する報酬・賞与は損金として処理すべき性質のものであります。しかしながら現状では役員賞与については損金にすることが認められていません。

ここで使用人兼務役員の登場です。使用人兼務役員とは使用人と役員とを兼務している職務をいいます。使用人の部分については報酬・賞与とも損金になるのが特長です。したがってできるだけ役員は使用人兼務役員にしておいたほうが税務上は有利です。

《使用人兼務役員とすることができる職務》

・取締役営業部長、取締役営業課長

《使用人兼務役員とすることができない職務》

・代表取締役、社長、副社長、専務取締役、常務取締役
・合名会社、合資会社の業務執行社員
・監査役
・同族会社のみなし役員
・非常勤取締役

使用人兼務役員の使用人部分として支給する賞与は損金になりますが、支給については通常の社員と同じ条件・時期でなければなりません。仮払経理をして期末に支給すると利益処分とみなされますので要注意です。