ゴルフ場やスポーツグランドでは、1年中、緑の芝生でプレーできることが望ましいことです。

オーバーシードはエバーグリーン化と共に、ターフクオリティの維持のためには欠かすことのできない手法であり、主に以下の種類があります。

(1)寒地型芝生のオーバーシード

寒地型芝生へのオーバーシードは、夏場の高温・乾燥によるダメージや、擦り切れ、踏圧で傷んだ既存芝地に、播種を行うことによってターフクオリティを回復させる手法です。

使用頻度の高い競技場内のインフィールドやサッカー専用グランドなどで、ベースが寒地型草種の場合は年4回(春・秋各2回)程度のオーバーシードが、ターフクオリティ維持のために不可欠となります。

◆通年利用型及び寒地型芝生へのオーバーシード適期

寒冷地
春…4月上旬~5月中旬
秋…8月中旬~9月中旬

温暖地
春…3月中旬~4月下旬
秋…8月下旬~9月下旬

また、暖地型芝生のベースを通年利用可能な寒地型芝生に切り替える際に、繰り返し寒地型草種を播種することで、寒地型草種に切り替えることも可能です。

一例としては、ゴルフ場の高麗芝ティーが傷み、寒地型のペレニアルライグラスに切り替える際に行われます。

(2)暖地型芝生へのオーバーシード

(WOS=ウインターオーバーシード)

暖地型芝生へのオーバーシードは、関東以西(高冷地除く)の大半を占める暖地型芝生のベース芝地を、年間を通してエバーグリーン化する手法となります。
一般的には、暖地型のベース芝(高麗芝、ティフトン芝、バミューダグラス、ノシバ)が秋から春にかけて休眠する時期に、寒地型草種をオーバーシードすることを指します。

この手法は短期の草種切り替え作業であり、ベース芝を保護することも主目的のひとつになります。

冬場の雑草侵入抑制能力とベース芝を踏圧から保護する能力は、オーバーシードしない芝地に比べ優れます。

一般的には、ウインターオーバーシードに用いる種子の選定は、ペレニアルライグラス「クイックスタート2」など耐暑性の弱い品種を用いています。

しかし、使用頻度の高い芝地では、耐暑性の弱い品種をオーバーシードに用いると、春先急激に品質が低下することがあるため、ペレニアルライグラス「PNW」など耐暑性の強い品種を用いることも1つの手法となります。

これは、更新作業を繰り返し行うことで、ターフクオリティを維持しつつトランジッションを行うとこを意味します。

耐暑性の強い品種は、冬期のターフクオリティや葉色などの点でウインターオーバーシード専用品種に比べ優れた特性を持つため、選択性のある除草剤を用いた薬剤トランジッションを行う芝地においては、ペレニアルライグラス「PNW」の利用がおすすめとなります。

◆暖地型芝生へのオーバーシード適期

温暖地…8月下旬~9月下旬
暖地…9月上旬~10月上旬

(3)インターシード

同じ草種の芝草種子をオーバーシードする技術を指します。

近年、「ペンクロス」などの古いグリーンに耐暑性、耐病性に優れ、立性で低刈りのできる「LS-44」等の品種を播種し、品種の切り替えをはかるコースが増えてきています。

インターシードは、使用しながら品種転換し、グリーンを高品質化できるというメリットはあるものの、一度の播種ですべて品種が切り替わるわけではないので、何度も播種する必要があります。

特に播種後、養生期間がおけずに使用した場合は、定着率が低くなるので、3年から5年を目安に繰り返し播種し、除々に定着させていく必要があります。
インターシードの場合でも、可能であれば播種後3~4ヶ月程度養生期間(生育適温期)を設けると、定着率は格段に高くなります。