近所の「元気寿司」が「千両」に衣替えしたようなので行ってみることにした。前評判によれば「高い」という。高い?価格が?回転寿司でしかも安さで売っている元気寿司でそれはあるまい。とタカをくくって行ったら・・やっぱり高かった。

元気寿司は最近(2002年9月)に東証一部上場を果たした元気のよい企業。以前は元気寿司という名前の割には店はぱっとせず、店内が明るい割には大繁盛という感じでもなかった。その原因は客回転率を重視するあまりアルコールを扱わなかったことと、低価格ということでネタをケチったことにあると思う。営業時間が夜9時までと極端に短かったことも原因の一つであろう。明るく品のあるキャラクターの割には隣の暗い「かっぱ寿司」に負けていたのが事実なのである。

これではいけないということで改革を実施。「元気寿司」「すしおんど」「千両」という異なるコンセプトを持つブランド店の確立を目指したのである。今回訪れたのは一番の高級店である「千両」。低価格大型店の「すしおんど」とは対極となる店づくりとなっている。

まず店内に入るとボックス席で区切られたファミリー客が目に付く。そして回転するコンベアには驚くほど少ない皿が回っている。というかほとんど商品が回ってこない。注文で寿司職人が握るスタイルを取っているがなんとなく解せない雰囲気であった。回転寿司なのに。

皿の色で価格を知らせるのが回転寿司の掟であるが、千両の場合最低が120円、そして180円、240円、380円、480円と上がっていく。メインとなるのは180円皿と240円皿であろうか。従ってお勘定も100円皿の回転寿司のようなわけには行かず、必然2倍~3倍の出費となる。

ところで、寿司はやはりネタの質に尽きるわけだが、回転寿司はやはり100円にこだわるべきだと思った。240円やそれ以上のネタとはいえ価格ほどの事はない。例えば築地に行けば一貫298円でチュウトロが食える。千両の寿司ネタはそれらの店には到底かなわないレベル。したがって上級ネタを狙って安易は行動に出ればこのように火傷をするということだ。客を舐めてはいけない。

更に元気寿司では「東京元気寿司」という新しいコンセプトの店を展開するという。これは千両より更に高級店。しかもここは回転寿司ではないらしい。株式上場を果たして少し先走りでは無いだろうか?高級寿司店はごまんと有る。そして違う土俵に進出して失敗した例もごまんと有る。なぜに低価格回転寿司一筋で行かないのか?安さ旨さそして明瞭会計が売りの回転寿司をどうして高めていかないのか?

ちなみに訪問日は連休明けとはいえ夕飯時。この閑散とした店に、千両というコンセプトを練り直す必要があるのではないか?と感じるのである。

千両訪問記

元気寿司ホームページ
http://www.genkisushi.co.jp/

2002/09/22

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