飲食店というのは素人が参入しやすいと錯覚しやすい業態である。たとえば喫茶店。いまではいわゆる喫茶店そのものが減ってしまったが、昔は素人がやってみたい店ナンバーワンであった。簡単にできると思うのだろう。

しかし誰でもできそうな商売ほどじつは難しい。参入が多いため競争が激しいことが一つ。さらにその中で客を獲得するのは意外と難しく、それなりの技術とノウハウが必要ということ。そんな簡単なことが、やってみるまではわからない。やってみて初めてその難しさがわかるのである。そのあたりが飲食店参入の怖いところである。

素人もうすうすそういう事情がわかってきたらしく、最近ではちょっとやそっとでは素人さんも飲食業に参入しなくなった。しかし、売上の保証がある程度確保されるならやはりやってみたいと思う業種ナンバーワンらしい。

そんな素人の純朴な気持ちを食い物にするのがフランチャイズシステムである。フランチャイズとは営業ノウハウを提供する代わりにロイヤリティ(月謝)を徴収するビジネスである。ノウハウを提供するほうをフランチャイザー(本部)、提供される(食い物にされる)ほうをフランチャイジー(加盟店)という。

本当に儲かるならフランチャイズシステムは有益だろう。しかし、そのほとんどが、本部が手っ取り早く儲けるための手段だといって過言ではない。特に日本の場合第一号店が繁盛するとすぐにフランチャイスに走る悪い癖がある。何十年も繁盛して初めてフランチャイズを考えるべきなのに。特に最近ではフランチャイザーもお金を持っている老人をジーにしようと虎視眈々と狙っているようだ。

日本のフランチャイズチェーンは加盟料とロイヤリティを最重点に考えられており、ノウハウと呼べるようなものを提供しているところは皆無である。しいて言えば店舗の設計と助言、オープン時の手伝い、マスによる諸コストの軽減くらいのもの。むしろ画一化された面構えが後になって災いすることのほうが多い。メニューが多くなってなんだかわからなくなった札幌ラーメンチェーンを見よ。ニュースで本部が事件沙汰になったとたん閑古鳥が鳴いたドーナツ屋を見よ。

新しい業態をノウハウごと買ってしまうフランチャイズはその仕組みを逆手に取ることもできる。最初の美味しいところだけをいただくのだ。どうせ後の経営の厳しさは、自分で独自にやっても、フランチャイズに加盟してもそう変わる所はないのが実情。最初の繁盛を忘れなければ、その支持を得つつ末永く営業していくことは可能。

いずれにせよ末永く儲かる仕組みを提供するのがフランチャイズと考える。とすれば日本の現存するフランチャイズはみんな本物ではない。とすれば如何にそれをうまく利用するかにかかっている。利用されてほったらかしになるか、利用して独自にがんばるか、覚悟してかかるならフランチャイズの利用方法は意外と面白いかもしれない。

2003/07/06

関連記事