[288]社長とCEO、どっちがえらい

少し前まで会社で一番偉い人といえば「社長」と相場が決まっておりました。あるいはオーナー会社の場合で「社長」の上に創業者が「会長」に納まっているような場合は、社長より偉い存在として君臨していたりします。そして会長が口を挟むような状況を許している場合はそのほとんど「老害」となっているはずです。(#早く引退しましょう)

さて最近ではこのような従来の肩書きのほかCEOというものが登場しています。CEOとは(Chief Exective Officer)で日本語に訳すと「最高経営責任者」となります。仕事としては会社の「経営方針」や「企業戦略の決定」を行う人です。つまり、日本では社長や会長と同じ仕事をする人です。

外資系の会社の場合には、このほかにCOO(Chief Operating Officer)というポストを置いています。COOは「最高執行責任者」で、CEOの決定したことを実践していくための責任者のことをいいます。日本では実質的に社長(CEO)が執行役員(COO)を兼務している場合が多いですがアメリカでは完全に分けています。

日本では社長や会長という肩書きのほかに、取締役というのがあります。取締役というのは取締役会の構成員です。株式会社の場合は株主総会で3人以上の取締役が選任され、その取締役会で決定された業務計画や業務執行を受けて、代表取締役が会社を代表して執行していくものです。

取締役というのは商法で定義されている役職ですが、これは法律上設置しなければならないものなので形式的な運用もあったりして実質は違うこともあります。CEO、COOは実際の執行責任者です。

代表権についてはこれも取締役会を代表するものですから役職と関係なく設定ができます。代表権のない「取締役社長」もあれば、代表権のある「代表取締役専務」もありますし、代表権のある代表取締役会長、代表取締役社長、代表取締役専務が顔を並べている会社もあります。

また執行役員を設定している会社も多くなりましたが、執行役員は取締役である必要がありません。そのため従来の取締役を執行役員にして身軽にし、業務執行を迅速に行うという狙いがあります。それは何か会社に問題が起こったときに責任を負うのは取締役ですが、取締役でない執行役員には責任が及ばないからです。執行役員は取締役ではないけれど役員待遇であることが多いです。

取締役の法律上の序列は会長>社長>副社長>専務>常務>取締役となります。もし取締役員会のセッティングをする場合は、この順番で席次を考える必要があります。

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