[299]応接室の上座と下座

・立って待つか座って待つか

訪問先の会社で受付を済ませますと、応接室に案内されます。このとき「どうぞこちらにおかけになってお待ちください」と言われます。ここで厚意に沿って「ありがとうございます」と言ってお辞儀をし、一度は座るのが礼儀です。

会社によってはずっと立ったまま待つと言うのが常識と言うところもありますが、立ったまま待たれると訪問先に精神的な負担を与えることにもなりかねません。ここは厚意に甘えて座って待ちましょう。

座ったまま、相手が現れるのを待ち、名刺の用意をします。そしてノックがしたら即座に立ち上がりましょう(これが重要)。このとき、もしかしたらお茶を持ってきてくれたのかもしれませんが、そのときは恐らく「お座りください」と言われると思いますので、言葉に従い座ってもかまいません。そして商談相手が現れたときは、再び立ち上がります(これが重要)。

・応接室の上座と下座

訪問したあなたはたとえ営業であっても、相手から見ればお客様の立場になります。ということは基本的に上座に座っていいのです。

ここでどこが上座かを確認。応接室は入り口から遠いほうが上座です。入り口に近いほうが下座。上座、下座は「かみざ」「しもざ」又は「じょうざ」「げざ」とも呼ばれます。

最近の応接室は上座に2人掛けもしくは3人掛けのソファーを置いてあります。
1人掛けのアームチェアーは下座側に置きます。これは「スペースが広いソファーに1人で座ってもらい、よりくつろいでもらいたい」という大切な客人への思いやりが込められているのです。

一方で出入り口に近い方が下座なのは、接待する側が色々世話をする関係上、出入りが頻繁になりがちで落ち着かない雰囲気になるため、大事な人を座らせるわけにはいかないからです。

なお、応接室に飾り棚が設けてあるときは、そのほうを上座にする必要もあるので、接待する側にとっても応接セットをどう置くかを研究する必要があります。間違ったセッティングはマナー違反を誘発し、訪問者を惑わせることになるからです。

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