[227]寒中見舞いと余寒見舞い

年賀状は、日頃お世話になっている人やご無沙汰している人に、新年を迎えるに際して改めて行なう挨拶状です。年賀状は元旦に届くようにするのが礼儀正しいとされていますが、本来は松の内(一般に1月7日まで)に届けば失礼にはあたりません。

松の内を過ぎてしまった場合は、年賀状ではなく寒中見舞いとして挨拶状を送ります。寒中見舞いは、その名の通り厳寒期に相手の健康を気遣う便りです。年賀状はお祝いの意味がありますが寒中見舞いにはお祝いの意味は無いので、喪中であっても利用できます。

従って、喪中で年賀欠礼をした人は、寒中見舞いを出すといいでしょう。また、年賀状を出していない人から年賀状が届いた場合や、喪中と知らずに年賀状を出してしまった場合なども寒中見舞いとして改めてご挨拶するといいでしょう。寒中見舞いの書き出しは「寒中お見舞い申し上げます」に続けて、相手の安否を気遣い、無事を祈り、こちらの近況を伝えます。

寒中見舞いを出す期間は、寒の入り(2005年は1月5日)から節分(2005年は2月3日=立春の前日)までの間です。この期間は二十四節気の「小寒」と「大寒」に相当する期間で、これを「寒中」といいます。松の内と寒の入りは必ずしも一致しませんが、毎年ほぼ1月5日あたりが寒の入りなるので、「5日過ぎたら寒中見舞い」と覚えておけば間違いないと思います。

なお、余った年賀ハガキを寒中見舞いには使わないようにして下さい。年賀ハガキはそれ自体にお祝いの意味があります。また「年賀」の「賀」の字自体にもお祝いの意味があります。したがってそれだけで喪中の場合には使えないのです。面倒でも官製ハガキを改めて買って出すようにしてください。

それでもどうしても余った年賀ハガキを使いたいときは、ハガキの表にある「年賀」の文字を横線で消して出します。ただしこの場合でも、相手が喪中 の場合は失礼にあたりますので、ごく親しい間柄の場合で相手に不幸がなかった場合のみに限られます。

余寒見舞いとは?

節分(2005年は2月3日)を過ぎると「寒」が明け「立春」となります。暦の上では春になるわけです。しかし2月4日以降は「春」とはいえまだまだ寒い日が続きます。春になっても残る寒さを「余寒(よかん)」といい、この期間のご挨拶は「余寒見舞い」として送ります。余寒見舞いは、大体2月下旬まで出すことができます。

余寒見舞いの書き出しは「余寒お見舞い申し上げます」に続けて「春とは名ばかりに厳しい寒さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。」などとします。