[190]シロアリ

週刊マナー美人や常識ぽてちを最初から読んでらっしゃる読者は、私が四柱推命をやることはご存知かと思います。最近は宣伝していませんが、有料にて看命承っておりますので、ご希望の方はこちらからどうぞ。あなたの未来に含まれる気配をお知らせいたします。

で、今日は四柱推命とシロアリの話です。どういう関係があるのか・・・?

四柱推命は中国から伝来した運命学ですが、その基本となるものは陰陽五行論です。この五行を占いに使うものは多くあり、そのうちの一つが四柱推命です。占いになぜ五行を使うものが多いのかというと、それは五行が自然の摂理を取り入れた普遍性のある理論だからなのです。

自然界の普遍性を取り入れた理論ですからこの少なくともこの地球上では正しいものとなります。そして正しいものを基礎としているからその占いは「当たる」ということになります。占いの手法は数多くあるけれど、どれも導かれる結果がほぼ同様になるというのは、元となる基礎に五行を使っているから、ということもできます。

五行の理論はを簡単に説明します。五行とは自然界にある「木・火・土・金・水」です。この五行は自然界に気ままに存在し、それぞれ他の五行に作用します。

「木」は「火」を生じるが、「土」を剋す

  「生じる」は子が母から生まれるような優しい意味があります
  「剋す」は激しく攻撃する、の意味があります

「火」は「土」を生じるが、「金」を剋す
「土」は「金」を生じるが、「水」を剋す
「金」は「水」を生じるが、「木」を剋す
「水」は「木」を生じるが、「火」を刻す
そしてまた最初に戻ります。五行の関係は輪のようになっています。

「木・火・土・金・水」はそれぞれが生じたり攻撃したりしながら、結局全体ではバランスが取れることにあります。水は火を攻撃し、火を消し去りますが、では火にとって水は不要かというと、そんなことはなく、火が燃え盛って火事になってしまったときには水をもって消さなければなりません。また火は季節では夏にあたりますが、夏の暑い盛りには水は不可欠です。つまり敵のようであっても、実際はなくてはならない必要なものであるということがわかります。要はバランスです。

さて、シロアリです。

シロアリというと木造住宅の敵のような扱いを受けます。実際シロアリの被害にあったらこれは大変です。シロアリは家の土台となる、基礎木材を食い荒らし、ぼろぼろにしてしまいます。木材だけでなく発泡スチロールやプラスチックまでぼろぼろにしてしまうそうです。シロアリに土台を冒される修理にも金がかかります。木造住宅にとっては致命的なので、木造建築をする場合には防蟻対策を義務付けているくらいです。それくらい厄介で貪欲な生物がシロアリです。

しかし、ここでシロアリの立場になってみましょう。自然界ではシロアリは枯れた木しか食べません。生きている木には一切手をつけないのです。シロアリが食べるのは枯れた木だけ。つまり森の掃除人なのです。枯れた木がいつまでも立っていては迷惑です。それを片付け、土に戻し、次世代の礎にするのが彼らの仕事、つまりかなりエライ仕事をしているのです。

その彼らにしてみれば、死んだ木を使っている「木造住宅は片付けなければならない」対象なのです。だから食い荒らすのです。悪気はありません。使命感に燃えた結果なのですね。シロアリの行動は五行論に正しく乗った行動です。

こうしたことを我々人間社会に置き換えてみると、視野が広がります。主義主張ばかり押し付けることの多い世知辛い世の中ですが、相手の立場になって考えれば、相手の気持ちもわかるというものです。五行論はそういったことを教えてくれます。

マナーも同じです。マナーというのは作法と違いますから、どれが正しくてどれが間違っているというものではありません。要は、その行動が「その場にふさわしいかどうか」の問題。相手があってのマナーなのです。