[108]喪中ハガキ

年賀状を書くに忙しい季節となりました。喪中ハガキが届いた場合には、その人には年賀状を出すのは控えなければなりません。喪中ハガキは「喪に服している」と宣言しているわけですから、お祝いは不要なのです。年賀状を書く人の都合もありますので、喪中ハガキは遅くとも12月10日までには届くようにしたいものです。

喪中ハガキが届いた時には既に年賀状を出してしまった。こういうこともあるでしょう。そのときは知った時点で、訃報を知らなかった旨を添えて「お悔やみ状」を出しましょう。また新年は5日の寒の入り過ぎてから「寒中見舞」を出してあげたいものです。

ところで、喪中とは一体なんだということになりますが、字の意味では「喪に服している期間」です。これは厳密には誰が亡くなったかで期間が異なるのですが、一番長いのが親が亡くなった場合の12ヶ月(もしくは13ヶ月)を喪中とするのが一般的です。これが祖父母の場合は3ヶ月と短くなりますので、例えば今年の1月に祖父が亡くなった場合は、4月には喪が明けますので年末の喪中ハガキは本当は必要ないのです。

喪中の場合は喪中ハガキを出し、新年の挨拶をご遠慮するのがしきたりですが、年賀状はもちろん、新年会や落成式、婚約発表や結婚式などに参加するのは控えます。

また、喪中に年を越す場合は、門松や注連飾り、鏡餅などの正月飾りや年始参りもしません。初詣として神社に参拝することも控えます。つまり、喪中とは亡くなった方への礼儀として身を慎むことのほかになりません。世間では年賀状だけ辞退して、新年会や初詣、お祝いの席へ参加している例が多くあるように見受けられますが、これはちょっとヘンです。

ちなみに、喪中と似ているものに「忌中(きちゅう)」というのがあります。仏教の忌日の考えに基づくもので四十九日の忌明け前を忌中といいます。忌中は喪中よりも更に身を慎む期間といえます。お歳暮やお中元が忌中にあたる場合は贈答はしませんが、忌が明けた後は喪中であってもお中元お歳暮はしても差し支えありません。

忌中、喪中については仏教の宗派によってまちまちなので、詳しく知りたい方は菩提寺の住職に聞いてみましょう。