メンデルスゾーン
Mendelssohn
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
Violin Concerto in E minor, Op,64
ヤッシャ・ハイフェッツ
Jascha Heifetz
ボストン交響楽団
Boston Symphony Orchestra
シャルル・ミュンシュ
Charles Munch
1959録音・RCA
こんにちは。中島恭子です。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今週の秘密の魔法の音楽は、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。華やかで力強い雰囲気と親しみやすいメロディーで、三大ヴァイオリン協奏曲のひとつになっている、人気のある曲です。多くのヴァイオリニストが録音してますが、その中で往年の巨匠ハイフェッツの演奏を今回は紹介します。
このメンデルスゾーンの協奏曲は、とにかく明るく華やかで楽しい気持ちにさせてくれる音楽です。クラシックに馴染みのない方にすすめる一曲にもいいと思います。
ハイフェッツは今世紀初頭にロシアに生まれたヴァイオリニスト、名、天才、巨匠、マエストロ、と冠をつけて呼ばれていますが、演奏を聴けばなるほどとうなずける、その名にふさわしい演奏家です。半世紀前の録音で、音質も悪いにも関わらず、演奏は色あせることなく生命を保ち、巨匠の貫禄を今に伝えています。
ハイフェッツの演奏はおもにクールですが、しかし変幻自在なクールさなのです。
曲をまったく突き放して弾いているかと思えば、次の瞬間には音楽そのものになりきってるかのように聴こえてくる。それがいつも決まった場所ではなく次に聴けば先とはまったく逆のように思える。てらいも、違和感もなく、自然で品があり、暖かみもあり、そしてクール。
テンポも素晴らしい。メンデルスゾーンの協奏曲は一点の弛みもなく、絶妙なテンポで聴いている方も緊張し、巧みな弦さばきに思わず微笑んでしまう、巨匠の余裕が味わえるのもハイフェッツならではです。
メンデルスゾーンの華やかさとハイフェッツの名演を聴くのにはぴったりのCDおすすめです。

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2000.12.15 |