[008]賃金

2012年10月12日

 

賃金とは労働に対する報酬として、使用者が労働者に支払う全てのものをいいます。給料、諸手当、賞与、通勤費、使用者が負担している健康保険料、食事補助などが賃金に含まれます。退職金についても支払条件が就業規則などで明確にされている時は賃金に含まれます。(労働基準法第24条 )
 
賃金支払いの五原則
 
1)通貨払いの原則
 
通貨とは要するに「お金」です。厳密には「現金」でなければいけませんが、同意を得れば銀行振りこみでもかまいません。労働協約に定めることによって商品による現物支給も認められます。
 
2)直接払いの原則
 
賃金は労働者本人に支払われるものです。従って、労働者が未成年者であっても親や後見人が代わって受け取ることはできません。
 
3)全額支払いの原則
 
賃金はその期間分を全額支払わなければなりません。法令で定められた源泉徴収などや。労使協定で定められた天引き分は差し引くことができます。
 
4)毎月1回以上支払いの原則
 
賃金は毎月1日から末日までに1回以上支払わなければなりません。
 
5)一定期日支払いの原則
 
賃金は支払日を決めて支払わなければなりません。
 
●前払いについて
 
使用者は労働者がすでに労働した分については、労働者に非常の場合の費用として賃金の支払いが必要な時と言う条件がある場合は、期日前でも支払わなければなりません。
 
●賃金の差し押さえ
 
債権者から賃金を差し押さえの手続きをとられた場合でも、その全額を差し押さえることはできません。政令で定めた額(現在では21万円)、または賃金の手取額の4分の3のどちらか少ない額が差し押さえ禁止額です。
 
●賃金の遅配
 
賃金が期日に支払われない。そういうことが頻繁に起こる会社は倒産の危険性があります。いつ何時そうなってもいい様に準備が必要です。倒産したら、賃金はどうなるのか?倒産したら賃金は最優先に支払われる項目ですから、まったく支払われないと言うことはありません。しかし、いつになるかわからないと言う部分はあります。
 
賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、その未払賃金の一定範囲について立て替えて払ってくれる制度があります。未払賃金の立替払制度は、企業が「倒産」したために、労働福祉事業団が事業主に代って支払う制度です。
 
未払賃金の立替払についてわからないことは、最寄りの労働基準監督署でおたずねください。