[050]懲戒(2)

2012年10月12日

 

懲戒に関する定めは、それを必ず就業規則に記載しなければなりません。懲戒は労働者にとって生活にかかわる重大な問題なので、労使間でトラブルが生じやすいのです。就業規則にその種類および程度をわかりやすく定めることが必要です。
 
【懲戒の取扱い時の注意】
 
1)懲戒処分を行うときは、弁明の機会を与え、事情をよく聴取するなど、適正な手続きによることに努めてください。弁明の機会も与えず一方的に処分することはできません。
 
2)減給については1回の額が平均賃金の1日分の5割を超えることはなく、また、総額が1賃金支払い期間における賃金の1割を超えてはいけません。
 
3)出勤停止期間については、法律上の規制はありませんが、あまり長い出勤停止期間は望ましくありません。
 
4)懲戒解雇で即時解雇する場合には、あらかじめ労働基準監督署長に申請してその認定を受けることが必要です。労働基準監督署長の認定を受けずに即時に解雇する場合には、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支給しなければなりません。
 
5)懲戒事由は具体的に記載されている必要があります。拡張解釈や類推解釈は認められません。
 
6)懲罰の規定は、その行為よりも前もって決められていなければなりません。泥縄式に行為の後慌てて決めても無効です。
 
7)懲戒事由と懲戒処分は客観的に見てバランスがとれたものでないといけません。
 
8)懲戒の対象は行為者個人に限られます。(団体への処分は不可)
 
9)過去の同様の事例に合わせ、同じ行為には同じ処分がなされなければなりません。
 
10)一つの行為について一度処分されたなら、同じ行為について重ねて処分されることはありません。