[103]残業あれこれ(2)時間外労働

労働基準法では、1日については8時間、週については40時間という法定労働時間を定めています。使用者はこれを超えて労働者を働かせてはならないとされます。

別途労働協約で取り決めをした場合は、これを超えて労働させることができます。超えた分は「残業=時間外労働」となり、25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。つまり時間外労働の「時間」とは法定労働時間のことを言います。(1日8時間・週40時間)

企業によっては、契約書で取り決めた労働時間を超えた分を単に残業(法内残業)と呼ぶことがありますが、法定労働時間を超えていない場合は割増賃金を支払う必要はありません。もちろん超えた分についての通常の賃金は支払う必要はあります。

たとえば、1日6時間で週5日間の労働契約の場合。

この場合は、1日に7時間働いた日があっても、超過分1時間についての割増賃金は支払う必要はありません。これが9時間働いた場合は、法定労働時間の8時間を超えた分について割増賃金を支払う必要があります。

◎通常6時間労働の場合(時給1,000円とする)
1,000円x6時間=6,000円

◎契約を超え7時間働いた場合
1,000円x7時間=7,000円

◎契約を超え9時間働いた場合
1,000円x9時間+(1,000円x0.25)x1時間=9,250円
※(1,000円x0.25)は法定割増賃金です。

割増賃金は最低25%増しとなっていますから、これを超えて30%などの割増賃金を支払うことは使用者の自由です。

【注意】変形労働時間制を採用している場合は上記あてはまりませんので注意してください。