[180]読者Q&A『退職時の未消化年休は買い取ってもらえるのか?』

■読者からの質問

私は今、派遣会社に登録しもう同じ会社で4年働いているのですがそろそろ退職しようと考えています。そこで残っている有給を退職時に買い取って貰おうと思うのですが以前に買取を頼んだ時に「本当は出来ないけど通常賃金の6割でなら買い取れる」と言われ「これは本社が決めた事なので私にはどうにも出来ない」と言うのでどうせ繰り越せなくて消滅するぐらいならと渋々10日分買い取って貰いました。と言うことは退職時も同じ事を言われると思うのですが、それならまとめて1ヶ月有給をとり退職しようと思います。しかしこの6割というのは適法なのですか?もしかして平均賃金と言うやつですか?もし宜しければお手数ですがご回答の程よろしくお願いします。

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

未消化の年休について、買い取ってもらえるのか?そしてそれは適法なのか?というご質問です。

年休の買取については、通常の就業時と、退職時にわけて考える必要があります。

・通常の就業時⇒買い取り禁止

例えば週5日勤務時間30時間で勤務年数4年の場合、年休は最大14日付きます。
>>年次有給休暇の付与日数表

年休は2年経過で時効消滅しますので、消化できない場合は買い取ってもらえないのか、と考えたくなりますが、買取は違法となります。

労働基準法では年休は実際に「休むこと」を重視しています。つまり「その日の労働義務の消滅」を重視しているのです。年休を金銭で買い上げてしまっては労働義務が消滅したことになりませ。したがってこれを禁止しているのです。(労基法第39条第1項「有給休暇を与えなければならない」と規定

もし、買取を認めてしまったら?

労働者から買取り要求する場合には、お金をもらえるのだから、本人の希望ということもあるでしょう。しかし、買取を合法としてしまった場合、使用者から買取要求する場合も合法となってしまいます。つまり、年休を使って休みたいのに働かせられる、という事態を容認してしまうことにもなりません。

・退職時⇒買い取り可能

退職する場合は、年休未消化日数が退職日までの残日数を超える場合があります。このような退職時に残っている年休に関しては、残日数に応じて調整的に金銭の給付をすること(買い上げ)も認められています。

お便りにありますような「どうせ繰り越せなくて消滅するぐらいならと渋々10日分買い取って貰いました」という事情ですが、会社とすれば「違法」ではありますが、なかなかの計らいだと思います。しかし本来ならば計画的に「休んでもらう」ことが必要なのはいうまでもありません。

なお、買取は違法行為なので買い取り価格が「6割」という決まりも当然ながらありえませんし、退職時の買取をするならば、それは「満額=全額」となると思います。

ただし、場合によっては使用者の裁量で「すでに消滅してしまった年休の買取」を好意的にする場合もあるかもしれません。その場合の買い取り価格は会社の任意となります。

2005/07/05(原文)
2006/06/27(加筆)
関連リンク:
退職時の年休
買い上げ禁止