[228]読者Q&A『グループリーダーは管理監督者か?』

■読者からの質問

私は役職というべきでしょうかグループリーダーをしております。

会社の役職構成は役職手当を抑えるために「社長、取締役、部長、ジェネラルマネージャー(GM)、グループリーダー(GL)」といった少ない構成になっており課長、係長が無く、平たく言えばせこい会社です。
3年位前まではもっと酷く部長、GMもありませんでした。

相談というのは、上記の人間を土曜日に集めて「事業報告などある会場で10時?15時で開催するので出席をお願いします」と案内が来たのですが、交通費は出るが出勤扱いにならず、昼食も出ないとの事でした。

この事について出勤扱いにならず、この分の給与が支払われないのはどうかと思いますがと会社に問い合わせましたが、毎月グループリーダーとしての役職手当2000円を払っており、年間で24000円払っているのだからこの日の給与は出ないと言われました。

毎月の手当ては毎月のグループリーダーとしての業務に支払われている物と思っていますし業務的にはグループ員のまとめ、会社からの連絡をまとめて連絡、グループ員の勤怠関連などで月2000円では足らない程の業務です。これは労働基準法違反と思われるのですかいかがでしょうか。

■たまごやの回答

お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。

『グループリーダーは管理監督者か?』

・グループリーダーが管理監督者に該当するかどうか?
・管理監督者に該当すれば、残業は請求できない
・しかし、それは残業代に見合う手当てが支給されている場合のみ

これに照らして、質問者の境遇がどうであるかで判断してください。

社内外で行う研修、会議につきましては、その研修や会議に出席するのが任意であるかどうかがまずは判断基準になります。

勉強会など仕事時間外に行う研修・会議でその出席義務が任意である場合は、賃金を支払う必要はありません。その研修や会議に出なかったことで不利益に当たるような処遇もしてはいけません。それをすれば、任意ではなく強制(業務命令)でありますから、これは賃金を支払う必要が出てきます。

お尋ねの件の会議となれば、おそらく任意ではなく業務命令によるものだと思いますので、当然賃金は支払わなければなりません。そしてその対価として役職手当が支払われていて金額が相当であれば、それは妥当なものとして判断いたします。

受け取る側として、その役職手当は会議出席の賃金かではないということであれば、労使で交渉することになります。上記の役職手当が事実上割増賃金の定額支給と考えられる場合もあります。

割増賃金が定額で別手当として支払われている場合、現実の時間外労働に対して法定の割増賃金以上の金額が支払われていれば割増賃金を請求することはできませんが、手当の額が現実の時間外労働に対する法定の割増賃金に満たない場合はその差額分について残業代が支払われる必要があります。

それにそもそもこの役職手当が時間外労働の対価であると明示されるなど、対価と認められるものでなければなりません。役職の階級につきましてもジェネラルマネージャー(GM)の下にグループリーダー(GL)となれば、通常では係長クラス。とすれば管理監督者には当たらないとするのが普通でしょう。

【参考コラム】
知得労[227]読者Q&A『現場監督は管理監督者か?』
管理職