[237]読者Q&A『出張先での休日は残業か?』

2012年10月29日

■読者からの質問
 
出張の為休日等にその目的地に出向いた場合、その移動時間は超過勤務として残業代が支払われるのでしょうか?また休日を挟んでの出張の場合、残業として認めてもらえるのでしょうか?(土日分の旅費はみてもらっていません。)会社に申請をしたら、「拘束しているわけではないので、払えない」と一喝されてしまいました。
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
『出張先での休日は残業か?』
 
出張の際の移動時間や現地での休日は残業になるのかどうか、というご質問です。おそらくこの場合、出張手当が付いていると思いますので、それを含めて考えてみます。
 
賃金は、通常の職場であろうと出張であろうと、働いた分は払わなければなりません。しかし同時に、働かなかった分は支払う必要はありません。
 
で、出張の場合は移動の時間は拘束はされていますが、その時間は自由に使うことができるので、労働とはみなされません。したがってその間の賃金は支払われないのが普通です。この場合の移動手段は電車であっても、車であっても同じです。
 
しかし、移動時間であっても、電車の車内で得意先の同行者の応接をしなければならないとか、運転手の場合でも接待の要素が入っている場合は、これは労働時間となります。
 
そして、出張期間内に休日が含まれている場合ですが、この場合も、その休日にあたる日が労働に当たるかどうかの判断をします。出張先であってもその日一日自由に使えるのであれば、労働時間にはなりません。しかしその日に得意先の接待をしたのならば、これは労働時間になります。
 
出張の場合は、常時拘束されているわけですが、それが労働時間かどうかの判断は難しいのが普通です。だからこそ出張手当というのが存在し、それでカバーするような慣習になっていると考えることができます。
 
労働基準法は残業代は残業代の名前で支払わなければならないと定めてはいませんので、残業代に見合う分が出張手当に含まれていれば問題はありません。
 
ただし、出張手当が慢性的に基本賃金に含まれているような場合は、出張中に実際に生じた残業は働いた分だけ別途に支払う必要があります。8時間を超えた場合はもちろん割り増しになります。