[262]読者Q&A『年次有給休暇の買取と再雇用』

2012年10月28日

■読者からの質問
 
有給休暇について、退職時買取り(精算)してもらえるのですが、弊社では一旦退職後、アルバイトとして再雇用する場合があります。この場合、有給休暇は退職時に精算すべきなのでしょうか。または例えば会社が認めた場合はそのまま継続使用することができるものなのでしょうか。退職するのだから一旦精算すべき、とも思うのですが、この辺りの法的見解がよくわからずにおります。基本の部分を知りたいと思っております。
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
『年次有給休暇の買取と再雇用』
 
退職時に有給休暇が残っていた場合、その有給休暇に対して退職後の期間に事実上時季変更権が行使できない場合に、その残った有給休暇を金銭で買い取ることが認められています。しかし、退職後に再雇用となった場合には、その取り扱いは微妙となります。
 
◇退職時には正社員、再雇用がアルバイトの場合
 
この場合、有給休暇の買取は、正社員の時の平均賃金となります。もし有給休暇を引き継げたとしても、引き継いだ後はアルバイトの期間の平均賃金となるので、おそらく金額が少なくなってしまうでしょう。この場合、退職時に買取をしてくれるという会社のスタンスなので、買取をしてもらった方が手取り額は多くなると思います。
 
◇退職から2ヶ月経過してアルバイトとして再雇用
 
通例として、退職から2ヶ月間を経過した場合は、以前の労働契約は完全に打ち切られたとみるのが普通です。従ってこの場合は、有給休暇や勤続年数は引き継がれません。なので、有給休暇は買い取ってもらう方法しかありません。
 
◇退職から1ヵ月後にアルバイトとして再雇用された場合。
 
通例(2ヶ月を経過していない場合)として、勤続年数や有給休暇は引き継がれると判断するのが妥当です。この場合は有給休暇の買取は会社の任意となり、有給休暇を引き継ぐことは会社の義務となります。しかし労働者からすれば、先の記述のとおり、賃金条件は正社員の時の方が有利なので、買い取ってもらった方が労働者にとっては有利になります。