[76]交際費(1)不算入の根拠

2013年6月9日

税務調査に備える?

次々とITを駆使した新しいのビジネスが展開されています。税収の減少が問題となっている一方で、税務署も新しい時代に対応していかなければなりません。会社経営も大変ですが、税務署も大変なのです。税務調査も今まで以上に多く行われることでしょう。今までは大目に見てくれた部分も今後はその保証はありません。いつ税務調査が来てもいいように、また、正々堂々と税務調査に対抗できるよう、日ごろより正しい経理の知識をつけておくことが大事です。

ということで、突然の税務調査に慌てないため、特に重要な交際費についてのコラムを10回に分けておおくりします。

■交際費(1)不算入の根拠

まず、交際費課税は以下のようになっています。

・資本金が1億円を超える企業
交際費等は一切、損金算入できません

・資本金が1億円以下の企業場合
交際費等は400万円×90%まで控除(10%に課税)
交際費等が400万円を超える場合は損金算入限度額として400万円計上(400万円を越える部分に課税)

税務調査で必ず対象にされるのが交際費。交際費は経費でありながら損金算入ができないネガティブな経費、そして計上する上でダントツに間違いが多い科目だからです。

なぜ交際費はネガティブなのか?

そもそも交際費は営業する上で当然に経費であり、法人税法でも損金として否定しない規定はありません。しかし租税特別措置法はこれを損金に算入できない経費として昭和29年に立法しました。つまり政策的に交際費は否定されているのです。

当時、その立法の理由は「資本蓄積のための冗費節約」というものでした。つまり、交際費を認めるとバンバン利益を使ってしまうので、交際費を使ってもそれは損金として認めないことを決めたのです。損金として認めなければ、費用として使ってもその分は課税されます。使った上に課税されては税金を支払うのも大変です。ここに抑止力が生まれるわけです。交際費を節約して利益を留保し、資本を充実させることに成功したのです。

このときに交際費の経費性を否定することなく、冗費の節約を目的とした時限立法でしたが、それがなし崩し的に現在に至っています。
交際費損金不算入の規定はたびたび改正されており、平成6年の改正ではかなり意図するところが変わってきています。もちろん交際費は課税強化されています。昭和29年の立法は企業の節約を奨励するものでしたが、今はそういう趣旨ではなく、無駄な冗費・濫費と決め付け、これを否定するものとなっています。さらに交際費は企業間の公正な取引を阻害するものとして否定視されています。

経費と認めながら損金算入できないならば、それはもう経費とはいえないものです。むしろ経費とは認めない方向で法人税法で立法したほうがすっきりするかもしれません。