[77]交際費(2)そもそも交際費とは?

2013年6月9日

交際費とは、勘定科目で交際費とすれば交際費になるわけではありません。科目いかんにかかわらずその実態で判断されます。交際費の定義は租税特別措置法第61条の4で述べられているように、交際費であるかどうかは目的、支出の相手、行為の態様、支出の有無について判断されます。

・目的

交際費は企業がその営業・業務遂行に際して、得意先、仕入先などの事業関係者と親密度を増し、取引を円滑な進行を図ることを目的としています。

・支出の相手

交際費支出の相手方は「得意先その他事業関係者等」となっています。この中には得意先、仕入先のみならず、間接的に利害のある者、取引のない同業者、さらには今は取引がなくとも近い将来は取引対象となる者も含まれます。またいわゆる得意先だけでなく、会社の内部の者(株主、役員、従業員)も含まれます。法の判断が分かれるところではありますが、特定の従業員を飲みに連れて行けばそれは税務上交際費になる、と判断されるのです。

・行為の態様

交際費は、いわゆる接待、供応、慰安、贈答、その他これらに順ずる行為のために支出されるものです。旅行、飲食、ゴルフ、観劇、スポーツ観戦などの招待や贈答など多岐にわたります。

・支出の有無

交際費の支出は直接・間接を問いません。直接現金を支払った場合はもちろんですが、同業者親睦のための組織に支払う会費や、他の法人と共同で接待をしたときのその分担金なども交際費となります。


条文:租税特別措置法第61条の4
(交際費等の損金不算入)

[1]法人が平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度(清算中の各事業年度を除く。)において支出する交際費等の額(当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額(資本又は出資を有しない法人その他政令で定める法人にあつては、政令で定める金額)が1億円以下である法人については、当該交際費等の額のうち次に掲げる金額の合計額)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

  1. 当該交際費等の額のうち400万円に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額(次号において「定額控除限度額」という。)に達するまでの金額の100分の10に相当する金額
  2. 当該交際費等の額が定額控除限度額を超える場合におけるその超える部分の金額

[2]前項の月数は、暦に従つて計算し、1月に満たない端数を生じたときは、1月とする。

[3]第1項に規定する交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(第2号において「接待等」という。)のために支出するもの(次に掲げる費用のいずれかに該当するものを除く。)をいう。

  1. 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
  2. 飲食その他これに類する行為のために要する費用(専ら当該法人の法人税法第2条第15号に規定する役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。)であつて、その支出する金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額が政令で定める金額以下の費用
  3. 前2号に掲げる費用のほか政令で定める費用

[4]前項第2号の規定は、財務省令で定める書類を保存している場合に限り、適用する。