[110]タックスヘイヴン

2013年6月3日

2006年5月頃、TBS株を買集め、そして売り抜けて200億円の利益を出していたことで有名になった村上ファンドが、国内での投資顧問会社を廃業し、シンガポールに拠点を移したということがありました。これは当時の日本当局の厳しい規制を逃れる目的があったと思いますが、一番の理由は法人税の安さでしょう。
日本の法人税率の高さは世界でも名だたる程で、実質40%もっていかれます。一方シンガポールは税率は18%という低さ。同じ利益を上げるならば、法人税は安いほうがいい。というわけで、利益を出す会社はどんどん国外に流出してしまいます。
国税庁としては、税率を下げれば税収自体が減ってしまうし、かといって税率が高ければ、企業が国外に逃げてしまう。ということで、葛藤の日々なわけです。
このように、税金が安い、または免除される国や地域をタックスヘイヴン(tax haven)=租税回避地といいます。
タックスヘイヴンは、小さな島国など産業が遅れている国が、国際物流の拠点となることを促進するために作った制度。つまり貿易の拠点となることで船が寄り、そこに外貨を落としてもらい国益増強を目指すものです。
タックスヘイヴンには問題点もあり、当局の監視の目から遠のくことから、国際マフィアやテロ集団、暴力団の資金源の温床となったり、脱税を目的に意図的に利用することが横行しています。
そのため各国では、タックスヘイヴンには特に目を光らせ、そこで税金を免れても、それで得た利益を本国に移行する際に課税するなどの対策を採っています。
ちなみにタックスヘイヴンに該当する主な国はセーシェル、トンガ、ナウル、香港、ジャージー島、シンガポールなどが有名なところです。あなたも日本を脱出してこれらの国に拠点を持ってみますか?
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