[116]学生アルバイトと年末調整

2013年6月10日

会社は従業員の給与から所得税を源泉徴収します。そしてその徴収額が年間で正しいかどうかを決定するため、扶養控除等(異動)申告書を提出した従業員について年末調整をする必要があります。年末調整は所得税法第百九十条に決められている会社の義務です。

所得税法では、正社員、準社員、契約社員、パートタイマー、アルバイトという区分はなく、給与所得者であればすべての従業員に対して年末調整をしなければなりません。会社によっては、アルバイトに対して年末調整をしないところもありますが、これは原則に反しており厳密には違法となります。

ただ、アルバイトでも学生アルバイトの場合、給与所得が年間103万円以上になることもほとんど無く、勤労学生として認められれば勤労学生控除27万円が加算されますので130万円まで課税されません。源泉徴収してもほとんど戻ってくるので、学生アルバイトの年末調整はしない会社も多いです。

なお、扶養控除等(異動)申告書は給与所得者であれば、控除対象配偶者や扶養親族の有無にかかわらず原則としてこの申告を行わなければなりません。つまり書くことが無くても会社に提出する義務があります。

会社は提出されたらこれを拒否することは出来ませんので、源泉徴収していなくても、年末調整の必要が無くても、年末調整をしなければなりません。
したがって、学生アルバイトさんには会社は「扶養控除等の(異動)申告書」を出さないように「お願いする」ことになります。

《参考》扶養控除等の(異動)申告書を提出しなくてもいい人
二つ以上の会社から給与を受けている場合はいずれか一の会社に対してのみ提出できます。したがってもう片方の会社には提出する必要はありません。
適用される税額表が日額表の丙欄とされる人は、この申告書を提出する必要はありません。(甲欄、乙欄、丙欄…があります)

年末調整対象外でも毎月給与から所得税を引かれている場合は、会社から源泉徴収票は発行されます。もし12月の給与明細もしくは1月分に源泉徴収票が付いてこない場合には会社に請求しましょう。

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