tax[123]税金を払う義務

2013年5月28日

国や地方自治体が国民のために色々なサービスを提供するにはお金がかかります。その経費を国民が負担するのが「税」です。税は昔は物で納められていましたが今は原則お金で納めます(場合によっては物納も可)。したがって「税金」となっています。

税金はだれでも納めなければならないか?それはそのとおりなのです。日本国に住む以上は憲法に従わなければなりませんが、日本国憲法第30条に『国民は法律の定めるところにより納税の義務を負う』と納税義務を掲げています。

国民が人間的に暮らすために最低限の設備や組織(上下水道、道路、学校、警察など)はお金のかかる仕事です。それを国が税金を使って行い、必要不可欠な公共サービスを低価格で実現するのに税金は役立っています。

日本の税金システムは所得が多く豊かな人が多く払い、そうでない人は少しでいいようになっています。これは国の政策として、貧富の差をなくそうという意図が含まれているからです。一見不公平なようですが、社会の富が一部に停滞しないように学問的に考えられてのことなのです。

税金は景気の調整にも役立っています。景気がよくなれば民間から税金をどんどん吸い上げて景気を抑制します。景気が悪くなれば民間企業は儲かりませんから自動的に税金も少なくなります。少なくなれば民間企業の負担も軽くなりますから事業もやりやすくなるというわけです。

しかし、昨今のように景気が悪くなりすぎると、民間企業がどんどんつぶれ、国も税収が思うように集まらず財政難となります。そこで国は税金が取れそうな、儲かっている経済部門を狙い撃ちして税収を図ろうとするわけです。発泡酒増税案が好例です。

このような「とれるところからとろう」的な案は昔は通用しましたが、今は通用しません。これだけ日本経済が崩壊しているのですから、むしろ税収を得られるようなシステムを再構築することが急務なのです。しかしお役所というのはどうも時代感覚がずれているようで、やっていることが的外れ。なかなか思うような税収を得られないようです。

2002.08.01