tax[188]節税売り

2013年5月28日

毎年12月になると売りに出される株が多くなるといいます。株価が高ければ売りに出されても当然ですが、株価が下がっていても売る場合もあります。これは投資家が株の売買で出た利益に対する税金対策でなされるため「節税売り」といわれます。

株式投資の場合、売却益が出た場合はそれを年間で計算し、それに対して10%課税されます。期間は1月から12月ですから、最後の12月にその売却益を調整するのです。税金を節約するには売却益を減らせばいい。つまり塩漬け株を売却して損切りをすれば損が出て、トータルで売却益を減らすことができるのです。

2005年分の株式の売却益が100万円あるとします。そして自分の保有株の中に買った後に株価が値下がりして10万円の含み損を抱えている銘柄(例えば塩漬けになっているドコモ株など)がある場合、それを今年中に売って損を確定してしまえば、売却益の合計は90万円になります。そのまま持っていると税金は10万円ですが、売ってしまえば税金は9万円となり1万円の節税ができるというわけです。

このように年末が近づくと、個人投資家の節税の為に売り注文が増えるため全体の株価は下がるだろうと見る人もいますが、株価の要因はこれだけではないので一概に12月は下がる、と言い切ることはできません。また、トータルで売却益がでていない人は当然ながら節税にはなりません。
2005.12.14