tax[101]譲渡損失を利用する

2013年5月28日

バブル時代に購入した不動産は現在大幅に値下がりして含み損を抱えています。安いので売るに売れない状態です。そういう不動産を売却すれば譲渡損失が生じます。譲渡損失は1年の所得を通算することができますので、損失とはいえうまく利用することで所得税を節約することができます。

例えば、5000万円で買った不動産が現在売却すれば3000万円だとします。実際に売却すれば2000万円の譲渡損失が生じます。

ところが、年間所得が2000万円あるとすれば、損益通算することにより、譲渡損失▲2000万円+給与所得△2000万円=0となり所得税が全くかかりません。

通常2000万円の所得であれば約400万円の所得税がかかりますが、この所得税を払わなくてすむというわけです。

この場合、売主が会社役員で買主が自分の会社であっても大丈夫です。その代わり売却価格は時価を守らなければなりません。

時価より高く売却した場合は、売却価額と時価の差額は役員賞与となり、賞与ですから所得税がかかってしまいます。

また、会社側からすれば役員賞与は損金不算入ですからその分法人税がかかってしまいます。

逆に安く売った場合は、会社は時価より安く手に入れた差額が利益になり、これまた法人税の対象になってしまいます。譲渡する場合は極力時価を守るようにしましょう。

2001.12.05