tax[032]遺産の評価下げ

2013年5月30日

遺産に対する相続税の課税方法はその種類によって違います。つまり現金や銀行預金はそのままの評価になってしまいますが、それを不動産や有価証券に替えておくことで評価を下げ、節税に結びつけようというものです。

●遺産の一部を土地に替えておく
現金や預金が1億円あったとしますと、相続税はそのまま1億円に対してかかります。これを土地に替えておけば、その評価は1億円にはならず、70~80%くらいの評価額になります。つまり課税の対象額が1億円から7000万円に減額されその分節税になるわけです。

●ゴルフ会員権に替えておく
ゴルフ会員権や株券などの有価証券に替えておく方法です。これもその評価はかなり下がりますしその下がった分は節税に結びつきます。ただこの方法は経済状況によってはタダの紙切れになるリスクはあります。

●借入金で土地を買っておく
手持ち資金があまり潤沢でない場合は、借入金で土地を購入しておくという手もあります。5000万円の土地を5000万円の借入金で買った場合、借入金の5000万円は資産から100%控除されますが、買った土地は3500万円くらいの評価になります。ここでの差は、他の財産から控除できますから、トータルで節税になります。
もっともこの方法はかなり資産があって、その中の一部を有効に利用するものであって、資産が少ない時に大きな借入金は、返済を考えると危険なものになることを承知でしなければなりませんが。

●アパートを建てる
土地をアパートなどの貸家を建てますと、その敷地の評価は「貸家建付地」として20%ほど評価が下がります。また、建物の方は「借家権割合」の30%が控除されて評価は70%ほどになります。また「小規模宅地の特例」を利用すれば50%に減額されます。
アパートは満室になって始めて利益が出ますから、資金繰りがうまく行くようなら上記のような方法も得策です。
いずれにしても、税金にあたる分くらいの現金は残しておかないと後に残った人が大変です。いざ税金を払う段になってせっかく買った不動産を売却するようではなんにもなりませんから。

2000.6.29