tax[076]親の土地を無償で使用した場合の贈与税

2013年5月30日

【親子間等で土地を無償で使用した場合の贈与税は原則かかりません】

他人の土地に家を建てたりした場合は、その借地に対する権利金を地主に払うのが慣行となっています。土地を借りるわけですから当然の支払いです。

そこで、親の土地に子が権利金を払わずに家を建てた場合は、子は親の土地の使用権を得たことにより、権利に対して支払いをしない限り贈与の問題が起こることになります。

しかし現実問題として、親の土地に子の家を建てただけで贈与税が発生するのは社会的感情からしても不自然です。

そこで、国税庁では「使用貸借にかかる土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」という通達を出し、以下のように取り扱われることになります。

1)使用貸借による土地の借受が親子間等であった場合

課税されません。何の手続きも不要です。

2)使用貸借による借地権の転借があった場合

親の土地に子が家を建てたけど、その土地には別に地主がいて、親がその地主から土地を借りている場合がこれに当たります。

この場合は当事者3人が事実を確認した上で、「借地権の使用貸借に関する確認書」を税務署に提出することにより、贈与税の課税はありません。

3)1と2の場合において、それが相続または贈与の対象となったときは、更地として評価され、課税されます。

4)1と2の場合において、土地の上に立つ建物のみを相続または贈与の対象となったときは、建物のみの相続または贈与により取得した財産とされます。

5)2の場合において、地主の権利を子が買いとった場合は、親が引き続き地代を地主(子)に払っている場合は、状況は変わりません。

しかし、地主が子に変わった途端に地代を払わないと言うことは大いにありえます。その時点で地主である子が借地権者である親から借地権の贈与を受けたものとして課税することになっています。

ですが、この場合も借地権者(親)と新地主(子)が連署して「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を提出することにより、借地権の贈与はなかったこととされます。

2001.05.16