tax[061]譲渡の日

2013年6月2日

不動産の譲渡益の課税は、その税率は短期か長期かによってまるで違い、短期の不動産保有には高い税率が、長期の保有には安い税率が課せられることは22号で述べました。

短期保有物件に高い税率が課せられるのは、取引自体が金もうけや土地転がしの元凶になり投機の意味合いが強いことから高い税率となっています。長期保有物件は、居住用や事業の上で使用される設備投資の意味合いが強くなり、税率も安くなっています。したがって不動産を売却する時は、長期譲渡の適用が受けられるように、売却時期を考慮する必要があるといえます。

物件の保有期間は譲渡したその年の1月1日における所有期間が5年以下である場合は短期、5年以上の場合は「長期」となります。

(取得)平成6年10月に契約をし7年1月に引渡しを受け
(売却)平成12年の2月に引渡し譲渡した場合

保有期間の計算方法は、引渡し基準で行われるので、上記例題の場合は譲渡した平成12年の1月1日を基準日としますので、平成7年の1月を引渡しの日とすれば保有期間は4年11ヶ月となり原則として短期譲渡所得となります。

しかし、納税者が資産の譲渡に関する契約日をもって「取得の日」とする申告が認められますので、その場合は平成6年10月を「取得の日」とすることができ、保有期間は5年1ヶ月となり、長期譲渡所得とすることができます。

短期:所得税40% 住民税12%
長期:所得税20% 住民税6%

保有期間が5年か否かが微妙な場合は契約日や引渡し日をよく確認する必要があるでしょう。税率が全然違いますから。

なお、「譲渡の日」に関してですが、原則として引渡しが行われた日が「譲渡の日」となりますが、売買契約を前年に行い、その日を「譲渡の日」として所得税の申告をした場合は、引渡しが翌年であっても前年の所得として認められます。(長期短期の判定は1月1日を基準とするのは変わりません)

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