tax[062]不動産の取得費と譲渡費用

2013年6月6日

不動産を譲渡した時には、譲渡所得を計算しなければなりません。課税は譲渡所得に課せられるからです。譲渡所得を計算する前には譲渡益を計算しなければなりません。(譲渡所得の収入金額)-(取得費と譲渡費用)=(譲渡益)

さらに

(譲渡益)-(特別控除など)=(譲渡所得)
 ↑これに課税される

この場合に問題となるのが取得費や譲渡費用などです。どこまでが取得費としてあるいは譲渡費用が必要経費として認められるのか?

【取得費となるもの】

購入代金、購入手数料、購入契約書に貼付した収入印紙代、不動産取得税、取得の際に支払った立退き料、設備費、改良費、登録免許税、消費税、登録手数料、資産の使用開始までに生じた借入金の利子、など

相続の場合:

相続や贈与の場合は、被相続人、遺贈者または贈与者がその不動産を取得した時の価額が取得費となります。つまり、親が死んで子供が親の不動産を相続する場合、親がその不動産を買った時の価額が取得費となります。(相続税や贈与税の課税価額ではありません)

建物など経年変化によって資産価値が下がるようなものについては、減価償却費を差し引きます。償却費は定率法や定額法など所定の方法で計算した額を償却費とし、取得価額から差し引きます。

(取得価額)-(償却費)=(取得費)

このようにして計算された取得費が譲渡価額の5%より少ない場合は、5%相当額を取得費とすることができます。

【譲渡費用となるもの】

仲介手数料、売買契約書の印紙代、測量費、借家人立退き料、
土地を売却するためにその上に立っている建物の取壊し費、
取壊した為に生じた建物の損失額、
より有利な条件で転売する為その時に生じた違約金、など

【取得費にも譲渡費用にもならないもの】

資産の修繕費、固定資産税、相続の名義変更登記費用、引越し費用

設備費と改良費が必要経費と認められて、修繕費が認められないってちょっと納得いかない意見もありましょうが、資産の維持管理にかかる費用は取得費に含めないという考え方に基づくようです。

2001.01.31