tax[089]交際費との違い

2013年6月2日

最近、週末起業というのが流行っているらしいですね。月曜~金曜まではサラリーマン。土日は自分の裁量を生かしてネットで起業する。実際、腕に自信のある人は危ない会社を頼るより、さっさと退職金をいただいて自分で起業したほうがいいかもしれません。株と同じで「いまこそ売り時!?」

さて、起業するとなれば、信用面やら色々な意味で会社を設立するほうがいいのですが、その場合なるべく小さく会社を設立します。つまり資本金はできるだけ少なく始めるのです。合資会社の場合は資本金1万円から始められます。合資会社じゃかっこ悪いですか?そんなことありません。株式会社が異常にあがめられるのは日本だけです。人的資産に重点をおく合資会社はこれからの会社といえます。

ところで会社となれば経費が発生しますが、その中の福利厚生費は全額損金に算入できます。これはつまり利益に対して損金で処理した分、法人税(所得税)がかからないということです。

一方交際費はこれも販売管理費として性質は損金です。しかし、これは資本金の額によっては損金に算入できる金額が変わるのです。経費として出費があるのに損金に算入できなければ、さらに法人税が課税されることになります。これは不景気にあえぐ現在ではそぐわない制度といえるのですが。

さて、交際費が認められる資本金の額は以下のとおりです。

資本金額が
1000万円以下の会社→交際費のうち400万円以下の部分の80%
1000万円超5000万以下の会社→交際費のうち300万円以下の部分の80%
の部分が損金算入できます。

ところが、資本金5000万円を超える会社の場合は、全額交際費は損金に算入できません。当然交際費は極力抑え、できるだけ福利厚生費として処理する必要が生じてくるわけです。

◆資本金500万円の有限会社の場合

◎交際費発生額300万円の場合
損金算入額  240万円(300万円の80%)
損金不算入額 60万円(300万円の20%)

◎交際費発生額600万円の場合
損金算入額  320万円(400万円の80%)
損金不算入額 280万円(400万円の20%+[600万円-400万円])

◆資本金6000万円の株式会社の場合

◎交際費発生額300万円の場合
損金算入額  なし
損金不算入額 300万円(全額)

◎交際費発生額600万円の場合
損金算入額  なし
損金不算入額 600万円(全額)
上記控除額は2002年に改正になりました。⇒修正版

2001.09.05