[085]自転車少年

夜中、筆を休め、気分転換をかねて犬の散歩に出かける。田圃の脇を歩きながらウシガエル鳴き声を堪能する。いきなりバシャッと飛び跳ねて驚くこともある。白鷺だろうか、目の前を白い鳥が驚いたように飛んでゆく。鳥は夜間目が見えないというが本当だろうか?家の近所はまだまだ自然が一杯だ。

そんな中、いつものように遭遇する自転車少年がいる。こいつは高校生なのにタバコを咥えながら夜中の街角を自転車で徘徊する。いつも赤いシャツを着ているのでそいつと判断できる。いってみれば不良少年だ。

タバコを吸うのは構わない。法を冒せば補導されるのは承知なのだろうから。でも、ちゃんと吸殻はもって帰れよ。夜中に徘徊するのも本人に自由だ。しかし、困ることが一つだけある。この自転車少年は無灯火なのだ。あまりいい自転車ではないので、カシャカシャと音が近づくので「ああ、来たな」とわかる。しかしいきなり現れる自転車にはびっくりするし危険でもある。

他人に迷惑を及ぼす。これは絶対にやってはいけないマナーの基本だ。マナー論に限れば、高校生の喫煙より無灯火のほうが重要なのである。

無灯火で疾走するのはなにもこの少年だけではない。結構年配のオジサンも無灯火で走ってたりする。この場合も咥えタバコで更に吸殻のぽい捨てもしたりする。最悪である。

自転車は夜道でも意外と走れたりするが、クルマを運転するほうから見れば突然現れてくる自転車は心臓に悪い。無灯火はもってのほかで、できれば後方とサイドにもぴかぴか光る反射板をたくさんつけてほしいところ。

なかには発電機のせいでペダルが重くなるという理由で、わざと点灯させない輩もいる。今では、ペダルに負担をかけない無接点式の「点灯虫」や電池式のハロゲンライトなど色々な製品があるので、是非使っていただき、無灯火だけは避けて欲しいと思う。マナーがどうのこうの以前に、自分の命を守るためなのだから。